おでんの世界は多彩になり、「出汁」の違いだけでも選択肢の幅は広がっている。未知なる味わいの「出汁」を楽しめる厳選した7軒を紹介したい。

やさしい旨みの鶏白湯出汁で自然派ワインを楽しむ

小林屋(東京・五反田)

鶏白湯のおでん盛り合わせ。左上から時計回りに大根、川崎の防空壕(ごう)跡で育てられた防空壕きくらげ、京都の餅麩 、たまご、香ばしく焼いたトリッパ(牛の胃袋)。仏のアルザスのオレンジワインとともに。おでんは150〜400円。

五反田で旨い洋食というと、必ず名前があがる『小林食堂』。『小林屋』は、『小林食堂』の店主小林大輔さん(45歳)が、長年温めていた構想を昨年1月に実現させた洋風おでん屋だ。

ワインバーのような8席のみのカウンター。その端に、見慣れたおでん鍋が据えられている。

「親しみ深いおでんと、自分が学んできた洋食を合わせたのが『小林屋』です」(小林さん)

鹿児島県の漁港から直送される鮮魚の「カルパッチョ」(1200円)。市場にあまり出回らない魚が多い。写真はメジナとオオヒメ。

鶏白湯にワインを合わせる

大根やたまご、注文が入ってから揚げる自家製がんもやさつま揚げといった和のおでんダネに、京都の地鶏、丹波黒鶏のガラを丸一日煮込んで取った鶏白湯(とりパイタン)を合わせるのが小林流だ。鶏白湯出汁は、思いのほかあっさりとしていて、それぞれの具の味を際立たせる。斬新な出汁ながら、懐かしさを感じるのは、鰹節と昆布を最後に加えるためだ。この出汁の味が忘れられず、気付けば『小林屋』で呑んでいる、という常連客も多い。

ソムリエが厳選した自然派ワインはどれも、やさしい味わいのおでんによく合う。出汁と具、ワインで完成する、そんな洋風鶏白湯おでんだ。

小林屋

カウンターのみ。棚にはワインが並び、少し飲みたい日にも気楽に立ち寄りたい。

東京都品川区東五反田1-23-9 ウィンビル1階
電話:03・6277・1500
営業時間:17時30分〜23時(最終注文22時)
定休日:第1・第3月曜、日曜、祝日
交通:JR五反田駅より徒歩約5分、都営浅草線五反田駅より徒歩約3分 8席。

取材・文/平松温子 撮影/安田仁志
※この記事は『サライ』2022年12月号より転載しました。

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