世界最高峰の食の都・京都。表通りでなく、一歩足を踏み入れた路地裏に、地元の人が通う小体で旨い店はある。その中でも、とりわけ新しくて、あまり知られていない食事処を選りすぐった。

ワインとフレンチつまみで気軽なビストロ飲みを満喫

トレイントレイン (中京区海老屋町)

店主の濱さんとの会話も楽しめるカウンター席。いしいさんともワインやレコード、音楽など多彩な話題で盛り上がっていた。

●訪れた人 いしいしんじさん(作家・56歳)
大阪府生まれ。京都大学文学部仏文科卒業。『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞、『ある一日』で織田作之助賞、『悪声』で河合隼雄物語賞受賞。エッセイに『京都ごはん日記』など。

「ここならひとりでも寛いで食事を楽しめる。でも、次は妻や息子と一緒に訪れ、あれこれ料理を味わいたいですね」

学生時代を京都で過ごし、東京、長野などを経て、平成22年に家族とともに京都へ移転した作家のいしいしんじさん。

「京都は自然も多く、野菜などの生産地も近い。和食を中心に美味しい店も多いから、食いしん坊にはたまらない。家族で気に入った店に出かけるのは、日常とは少し離れる特別感もあって、心が浮き立ちます」と話す。

ワインなどお酒も日々の潤いのひとつと言ういしいさんが、ビストロ居酒屋『トレイントレイン』に出かけた。

ラムチョップ2600円。南米でバーベキューに使うビネガーやハーブが効いたチミチュリソースを合わせる。グラスワイン600円~。

店主の濱一矢さん(43歳)は、かつて木屋町で人気を博したイタリアン『ラ・マスケリーナ』で接客担当を務めた。客ひとりひとりに向き合い、好みを見極める接客は、カリスマと言われたほど。だが、その後、「東京でさらに成長したい」と転職し、8年の歳月を恵比寿のフレンチ『ルリオン』で過ごして帰京。今年2月に、三条近くで自店を開業した。かつての客はもちろん、夜ごと訪れる地元客で店は賑わっている。

一方で、料理を担当するシェフの篠原健太郎さん(32歳)は、和歌山の『オテル・ド・ヨシノ』などフレンチ畑で腕を磨き、東京で濱さんと出会った。京都で開業する濱さんの想いに心を寄せ、ともに京都へ移転したという。

手軽な小皿料理。手前から時計回りに豚のリエット、キノコのマリネ、紫キャベツ。各400円。3種1150円、5種1800円。

ふたりが目指すのは、牛ステーキやラムチョップなど王道のビストロ料理も出すが、ちょっとつまんでワインを飲める小皿料理も用意する居酒屋のようなビストロ。

「豚のリエットやつぶ貝のオイル漬けなど、さっと出る料理も充実しているのがいい。それぞれの料理に合うワインを丁寧に説明する濱さんの接客も巧みで、居心地よく過ごせる」といしいさん。

ひとりならカウンターがおすすめだが、家族や友人とならテーブル席と使い分けできて重宝する。

昼も夜も深夜も好みの料理を

「ランチには、メイン料理にスープやパン、サラダが付くコースをご用意しています。夕方以降は、ワインだけでもいいし、もちろん、深夜までしっかり食事もできます」と濱さん。

秋茄子と真イワシのソテー1800円。秋に旬を迎える茄子と真イワシのフィレをソテー。骨と玉ねぎ、ニンニクのソースで。

市街の観光がてらのランチ、洛外をじっくり散策してからの夜飲みなど、多様な場面で気軽に訪れたい名店である。

トレイントレイン

京都市中京区海老屋町327
電話:070・8940・6970
営業時間:11時30分~14時、17時30分~23時30分(日曜は12時~17時) 
定休日:月曜
交通:地下鉄東西線京都市役所前駅より徒歩約5分
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取材・文/中井シノブ 撮影/高嶋克郎
※この記事は『サライ』2022年10月号より転載しました。

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