写真・文/矢崎海里
今年は梅雨明けも早く、例年より早い時期から冷房器具を使い始めたという方も多いのではないでしょうか。
猛暑の影響から電力使用率も高く、6月には「電力需給ひっ迫注意報」、7月からは「節電要請」が行われています。
節電は冷房の温度を下げすぎない、使用していない機器は電源を切るなど、日々の生活で取り組める事項がたくさんあります。
ここでは料理に着目し、省エネルギーでもできる調理ポイントをご紹介していきます。
省エネルギー調理のポイント
まずは簡単に取り組める省エネルギー調理のポイントをいくつかご紹介します。
グリルを活用
パンや揚げ物の再温めをトースターではなくグリルで行うことで、電気を使わずおいしく仕上げることができます。
ほかのおかずも同時に調理することができ、時短にもなります。
お湯はその都度鍋で沸かす
保温機能付きのポットやすぐに沸くケトルはとても便利ですが、鍋で沸かすことで節電になります。
お湯を沸かす際はふたをして底の大きな鍋を使用することで、熱効率がアップ。
加熱時間の短縮に繋がります。
具材は火の通りやすいよう下ごしらえをして加熱時間短縮
火の通りにくい肉や魚、野菜は小さくカットすることで、加熱時間の短縮に。
電気やガスの節約になるほか、火を使う時間が短くなることでキッチンの温度上昇も緩和。
冷房機器の電力削減にもなります。
ここからは炊飯器を使わず、鍋でごはんを炊く方法と、夏の定番レシピ、そうめんの省エネルギーレシピを紹介します。
お鍋で炊くごはん
【材料】(約4人分)
白米 2合
水 450ml
【作り方】
1.白米は研ぎ、水気を切ったら分量の水を注ぎ、30分~1時間浸水させる。
2.一度かき混ぜて、鍋を中火にかける。
3.鍋がぶくぶくとして沸騰してきたら弱火にして、12分程度加熱する。
4.一度ふたを開けて水分がなくなっていたら、火を止める。そのまま10分蒸らして完成。
炊飯器で白米を炊く場合、通常モードで1時間程度かかりますが、鍋で炊くと加熱時間は20分程度、蒸らす時間を入れても30分でごはんが炊けます。
ごはんがない! という時もすぐに調理できるので覚えておくと便利です。
炊きあがり直前に少し中火にすることで、おこげもつくることができます。
炊飯器を使用すると炊飯はもちろん、保温にも電力を消費します。
すぐに食べない場合は小分けにして、電子レンジで温め直すことでエネルギー消費が少なく済みます。
炊飯器を使用する際はタイマー予約を上手に活用して、食べるときにタイミングよく炊きあがるように設定しておくことで保温時間を短くできますよ。
また一度にたくさん炊いて、冷凍保存するのもおすすめです。
通常より短時間で炊きあがる「早炊きモード」は、炊飯器によっては通常より多くの電力を必要とするものもあるため注意してください。
茹でないそうめん
【材料】(2人分)
そうめん 2束
お好みの具材 適量
※今回はとろろ、青ねぎ、きざみ海苔、かつお節を使用
★めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ4
★水 200cc
【作り方】
1.鍋にたっぷりのお湯(約2L)を沸かす。
2.沸騰したらそうめんを入れてほぐし、10秒かき混ぜる。
3.火を止めて、ふたをして5分置く。
4.流水でしっかり洗ってぬめりを落とし、氷水で締める。
5.水気を切り、★のたれをかける。お好みの具材をトッピングして完成。
近年話題の茹でないそうめんは、暑い思いをせずそうめんが茹でられると人気のレシピです。通常1分半~2分ほど茹でるそうめんの茹で時間はたった10秒。
この茹で方だと、時間が経ってもくっつきにくく、伸びにくいのがポイントです。
余熱で茹で上げることで、エネルギーの節約になります。
また加熱時間が短いので部屋の温度が上がりにくく、冷房機器の電気代節約にも。
夏場食欲がない時の強い味方の麺類では、パスタは細めの茹で時間の短いものを選ぶ、水でほぐすだけで食べられる麺類を選ぶことでエネルギーの節約になります。
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まだまだ暑い日が続きますが、無理のない範囲で節電を意識して、夏を乗り切りましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。