今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、これまでの鎌倉幕府の史伝のイメージを覆す壮絶な人間ドラマとして注目を集めています。
源頼朝の平家打倒から北条家による執権体制確立までの激動の歴史は、古くから時代の要請にしたがって形を変えながら伝わりました。江戸時代の人々もその例にもれず、鎌倉殿と武将たちの活躍を描いた浮世絵に魅了されました。
この秋、鎌倉殿のゆかりの地で「鎌倉殿と武将たち」を描いた展覧会が開かれています。(12月18日まで)
本展の見どころを、佐野美術館広報グループの西脇玉己さんにうかがいました。
「佐野美術館の所在地、静岡県三島市は『鎌倉殿』ゆかりの地です。
源頼朝は、治承4年(1180)に源氏再興を祈願し三嶋大社祭礼の日に挙兵したと伝わります。毎年8月15~17日には三嶋大祭りが開催され、『頼朝旗挙げ行列』が盛大に催されます。
本展では、大阪の古書店主・浅井勇助が収集した国内有数の浮世絵版画『浅井コレクション』3万枚余より、幕末明治期の人気浮世絵師の作、約100点を紹介し『鎌倉殿』の時代をたどります。
大胆な構図や鮮やかな色合いが魅力の武者絵ですが、作品の細部にもぜひご注目ください。歌川国芳《源頼朝公諸将をあつめ平家征伐のかといで 佐々木梶原せんぢんをのぞむ圖》は、頼朝に仕える家人たちが勢ぞろいした場面を描いたものですが、居並ぶ家人の中には大河ドラマの主人公・義時の姿が見られます。
また、月岡芳年《矢嶋大合戦之圖》では、画面右側の海に那須与一が扇の的を射落とした有名なシーンが小さく描き込まれるなど、作品の隅々まで目が離せません。
ぜひこの機会に名場面の数々をお楽しみください」
昔も今も人々を沸かせる源平盛衰記を浮世絵で!! 会場でじっくりご堪能ください。
【開催要項】
「鎌倉殿」と武将たち―浮世絵版画・浅井コレクションの名品 歌川国芳から月岡芳年まで
会期:2022年10月29日(土)~12月18日(日)
会場:佐野美術館
住所:静岡県三島市中田町1-43
電話:055・975・7278
開館時間:10時から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:木曜日(ただし11月3日は開館)
公式サイト:https://www.sanobi.or.jp/
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝