祈りの絵画で知られる平山郁夫(1930~2009)。広島県の尾道で生まれた平山は、15歳の時広島市内で被爆し、惨状の中で九死に一生を得ました。
一命をとりとめたのちは、大伯父のすすめで東京美術学校(現・東京藝術大学)に進学し、卒業後も同校で教鞭をとりながら作品の制作を続けました。
平山郁夫の芸術がどのような道を辿ったかを紹介する展覧会が開かれています。(9月25日まで)
本展の見どころを、奈良県立万葉文化館の広報担当者にうかがいました。
「本展では、平山郁夫とその芸術の原点である故郷の瀬戸内海、半世紀におよぶ画業において転機となった仏教と出会った奈良、京都の地での歩みを、平山郁夫の作品約103点とともに振り返ります。
平山郁夫は生涯、己が育った広島の風景、平和への祈り、シルクロード、そしてその終着点である日本の古都を絵のテーマとして追求しました。その集大成ともいえる記念碑的大事業であった奈良・薬師寺玄奘三蔵院の大唐西域壁画の大下図を展示することで、過酷なシルクロードの旅を芸術へと昇華した平山芸術の神髄を体感できる展覧会となっています」
観おわったあと心が澄み切ってくるような作品の数々。会場でじっくりご鑑賞ください。
【開催要項】
特別展「平山郁夫展―その旅路を辿る―」
会期:2022年8月6日(土)~9月25日(日)
会場:奈良県立万葉文化館 日本画展示室
住所:奈良県高市郡明日香村飛鳥10
電話:0744・54・1850
開館時間10時から17時30分まで(入館は17時まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、その翌平日休館)
公式サイト:https://www.manyo.jp
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
※新型コロナウイルスの感染状況により、内容を変更・中止する場合があります。
取材・文/池田充枝