近年、田舎暮らしが見直され、「移住」という選択肢が注目されています。

今から約80年前の昭和18年、第二次世界大戦時に中央の政治中枢で活躍していた人物が、東京郊外ののどかな田舎、鶴川村の農家を購入して移住しました。

その人物とは、白洲次郎。夫人は随筆家の白洲正子。武蔵と相模の境にあることから、不愛想をもじって「武相荘」と名づけ、次郎は悦に入っていました。

二人が生涯を過ごした武相荘の暮らしぶりを紹介する展覧会が開かれています。(7月3日まで)

旧白洲邸・武相荘

本展の見どころを富山県水墨美術館の担当者にうかがいました。

「白洲次郎(1902-1985年)は、大正期に英国流のダンディズムと教養を身につけ、第二次世界大戦後、憲法改正など日本の復興に尽力した実業家です。

白洲次郎の愛車ベントレー(展示:6月12日まで)

妻の白洲正子(1910-1998年)は、幼少期から能を通じて古典芸能に親しみ、着物や骨董を愛し、随筆家として活躍しました。お互いに一目惚れして結婚した二人は、心豊かに過ごす日々のくらしを大切にしました。

旧白洲邸・武相荘 白洲正子の書斎(一部再現)

本展では、白洲次郎生誕120年記念の特別展として、夫妻が生涯くらした旧白州邸「武相荘」(東京都町田市)でのライフスタイルを紹介します。次郎の身の回りの品や愛車、お手製の道具、正子の愛した着物や骨董品、自筆原稿などにより、等身大の次郎と正子の素顔にせまりながら、日本の文化やくらしのなかの美しさをみつめていきます」

北大路魯山人「錆絵鳥文皿」
撮影:浅井佳代子
サンローラン・マント
撮影:浅井佳代子

ライフスタイル自体がアーティスティック!! そう感じさせてくれる展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
白洲次郎生誕120年記念特別展 白洲次郎・白洲正子-武相荘折々のくらし
会期:2022年5月20日(金)~7月3日(日)
会場:富山県水墨美術館
住所:富山市五福777
電話:076・431・3719
開館時間:9時30分から18時まで(入室は17時30分まで)
休館日:月曜日
公式サイト:http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/3044.htm
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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