ロベール・ドアノー《雨の中のチェロ》1957年 (C)Atelier Robert Doisneau/Contact

フランスの国民的写真家ロベール・ドアノーは、パリを舞台に多くの傑作を生みだし、世界で最も愛されている写真家のひとりです。

パリの街角にあふれるシャンソンやジャズなど様々な音楽シーン題材に、1930年代から90年代にかけて撮影された、ドアノー自身の音楽的感覚に富んだ作品を集めた展覧会が、2018年末から2019年春にかけてパリの19区にある“フィルハーモニー・ド・パリ”内の音楽博物館で開催され大好評を博しました。

ロベール・ドアノー《バレエ「カルメン」の衣装合わせ、イヴ・サン=ローランとジジ・ジャンメール》
1959年
(C)Atelier Robert Doisneau/Contact

そのパリの展覧会を日本向けに再構成した展覧会が開かれています。(3月31日まで)

本展の見どころを、Bunkamura ザ・ミュージアムの学芸員、吉川貴子さんにうかがいました。

「今も昔も世界中の人々が憧れる街、パリ。写真家ロベール・ドアノーもこの街に魅了され、縦横無尽に街の内外を歩き撮影することをライフワークとしましたが、彼はしばしば音楽の世界に浸る人々の姿を捉えました。

ロベール・ドアノー《流しのピエレット・ドリオン》
パリ1953年2月
(C)Atelier Robert Doisneau/Contact

流しのアコーディオン弾き、街角で集って歌う人々、ジュリエット・グレコやイヴ・モンタンら往年のスターの姿…。ドアノーが写した音楽シーンの多様さには目を見張るものがあり、特に第二次世界大戦後から1950年代にかけて撮影された写真からは、音楽を通して分ちあう自由の素晴らしさが伝わってくるでしょう。

ロベール・ドアノー《サン=ジェルマン=デ=プレのジュリエット・グレコ》
1947年
(C)Atelier Robert Doisneau/Contact
ロベール・ドアノー《イヴ・モンタン》1949年
(C)Atelier Robert Doisneau/Contact

本展はシャンソンやジャズ、クラシック、90年代のフレンチ・ポップスまで、様々な音楽シーンを捉えた写真約200点を通してドアノーの作品世界を追っていきます。会場入口では出品作で登場する歌手たちの音楽で皆様をお迎えします。旅行もままならない今日ですが、ドアノーが愛した街パリの雰囲気を味わいながら、つかの間の音楽散歩をお楽しみください」

ドアノーの作品世界から蘇る懐かしくも香り豊かなパリ!! ぜひ会場でご堪能ください。

【開催要項】
写真家ドアノー/音楽/パリ  
会期:2021年2月5日(金)~3月31日(水)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1(東急百貨店本店横)
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
https://www.bunkamura.co.jp
開館時間:10時から18時まで(入館は閉館30分前まで)金・土曜日は21時まで(入館は20時30分まで)
※金・土曜日の夜間開館については変更の可能性あり
※3月20日(土・祝)・21日(日)・27日(土)・28日(日)の4日間に限り【オンラインによる入場日時予約】が必要
休館日:会期中無休
料金:HP参照
アクセス:HP参照

取材・文/池田充枝

 

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