マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の問題を解説するシリーズ。今回のテーマは、組織の生産性を向上させる会議や打ち合わせについてです。

はじめに

企業で行われる会議は、物事の方向性を決めたりアイデア出しをしたりと、業務を進める上で重要な役割を果たしています。

しかし、「会議」と呼ばれるものの中には、参加した後に「今回の会議はあまり意味がなかった」、「無駄な時間だった」と感じるものも少なくありません。どのようにすれば、「無駄な会議」から無駄を排除できるのでしょうか。

特に今回は、各企業で行われている目標や予算の進捗を確認する会議・打ち合わせについて識学の観点から正しく組織の生産性を高める進め方について解説をさせていただきます。

会議の参加メンバーを限定する

みなさんの会社で行われている目標や予算の進捗を確認する会議・打ち合わせの参加者は、どのようなメンバーでしょうか? 3階層以上が参加する会議となっていないでしょうか? 識学では、会議に参加するメンバーを2階層に限定することを推奨しています。

例えば、社長が主催する会議・打ち合わせであれば、参加するメンバーは社長直下の役職者に限定する運営です。社長-部長-課長のように3階層が参加する会議運営を否定していています。

その理由は、間の階層が育たなくなるからです。社長-部長-課長とで行う会議・打ち合わせの場合、部長が育たなくなります。本来部長は課長をマネジメントする役割を担いますが、部長自らがその自身の役割を誤って認識する状況を招きかねません。部長自身の役割に基づいて課長へメッセージを発信する本来の姿が、「社長が仰っている通り」などと当事者意識が疑われるような言動を生む土壌となります。

会議では未来の話に重きを置く

みなさんの会社で行われている会議・打ち合わせは、過去の話と未来の話の割合は何対何でしょうか? 上手く進捗していないテーマについての原因分析に時間を要し、今後行っていく施策については時間切れとなっている企業が多いものです。

識学では、目安ではありますが過去3割、未来7割の割合を推奨しています。その根拠は、過去はコントロールできないことに加えて、部下自身に免責材料を与えてしまうことを避けるためにあります。

過去の話に重きを置く会議では、メンバーに「言い訳を述べる場」を与えてしまいます。「私なり真剣に取り組んだのですが結果が出ませんでした」のような他責発言が飛び交う会議になりがちです。

目標を因数分解する

過去の話が7割で未来の話が3割に留まり、免責発言が飛び交う会議を修正するには、目標を因数分解することが必須となります。期初に立案した目標を上期/下期に分解し、その6か月後の目標を3か月、1か月、1週間のように最終目標を逆算してマイルストーンを定めることが絶対条件となります。

今まで多くの企業様の会議運営をご支援して参りましたが、多くの企業において1か月までは分解されていますが、そのさらに次となる1週間に分解されていない場合が多いのです。1か月後の目標の進捗を毎週確認しあう会議運営がほとんどです。大きな目標を達成させる上で逆算されたマイルストーンである1週間の目標に対する結果と今後の1週間をテーマとする会議運営を推奨しています。

「進捗を確認しあう会議」は「未来予想のし合い」に留まり、目標達成確率を上げる会議には至りません。PDCAが回らないからです。PDCAは結果が出来ないと回らないのです。1か月後の目標の進捗を確認しあう週次会議では、1か月経過しないとPDCAは回りません。結果が出るまでに行っている週次会議では、その間個人の主観に基づく経過報告、経過アピールに必然として終始します。

発言の型を揃える

目標を因数分解された後に整えたいのが発言の内容と順番をルール化することです。まずは部下から発言します。発言の内容と順番は、先週の目標内容→その結果→未達項目がある場合にはその項目→未達となった理由→その未達を踏まえた今週の挽回目標→その挽回目標の達成に向けた具体的行動です。

この内容と順番を会議運営の型としてルール化することを推奨しています。この型通りの運営が会議時間の効率化を生みます。

報告書フォーマットを整備する

会議の生産性向上において、会議運営時間圧縮は大きなテーマとなります。会議に要する理想時間は、参加者人数によりますが、一人の発言時間が10分以内に収まることを目安に設定しています。掲げていた目標を達成しているメンバーに限らず未達となったメンバーにおいても10分以内で発言を終える運用です。未達が発生する場合、どうしてもコントロールできない過去の話が多くなり、「私なりに真剣に取り組んだのですが結果が出ませんでした」のような他責発言になりがちですが、これは報告書フォーマットを整えることで解消できます。

会議参加者メンバーは事前に定められた報告書フォーマットを記載し、その記載内容を会議で発言し、その発言内容を上司が承認/否認する運営です。

生産性が高い会議とは、「メンバーの発言内容」=「上司が把握したいこと」になっていなければなりません。上司が会議内で把握したい事柄が報告書の記載項目に設定されており、その記載項目を埋めていれば「上司が把握したいこと」=「メンバーの発言内容」が実現できる設定です。この整備された報告書ベースで会議を運営することが出来れば、一人の発言時間が10分以内での運営が可能となります。

まとめ

今回は、各企業で行われている目標や予算の進捗を確認する会議・打ち合わせについて識学の観点から正しく組織の生産性を高める進め方について解説をさせて頂きました。

会議に参加するメンバーを2階層に限定し、「未来の時間」を全体の7割にすべく、目標を因数分解し、逆算されたマイルストーンに対する発言を型化していただきたく存じます。いかなるメンバーと会議を行っても一人10分以内の発言で収めるために報告書フォーマットを整え、その報告書フォーマットを全て埋めた上で会議に参加することを会議参加のルールとして設定していただければ、組織運営の生産性は向上いたします。是非とも実践していただきたいと思います。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

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