マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の用語や問題を解説するシリーズ。今回は、定年後、新たな職場で働くシニア層に向けて、ミスをできるだけ減らし、働きやすい職場環境をつくるためのポイントについて解説します。

ああ、ミスしてしまった…

「ああ、ミスしてしまった……」こう思ったときほど、心の中がお先真っ暗になることはありません。この感情はできる限り経験したくない、この感情がなければどんなに人生が楽しくなるのであろうと考える人は多いのではないのでしょうか。

特に自身が高齢化してくると、物覚えが悪くなり起こりがちなことです。そのため、定年後もやりがいをもって働いていこうとしているみなさんにとって、ご自身で働きやすい環境にしていくためには「ミスの減らし方」は最重要と言えます。

ここでは私が定年後でも働いているお客様との関わりを通し経験してきた中で、そのお客様が最終的にこの「ああ、ミスしてしまった」という感情さえプラスに捉えられることができた方法をお伝えします。

ミスは起こるもの。ミスを把握する準備をする

この世の中にミスをしない人はいるでしょうか? 答えはノーです。誰でもミスをするのです。

では、「ミスしても大丈夫ですね」という解釈が発生しますが、ここで大切なのは、ミスを減らすための準備をすることです。そのためには、以下の3つのことを押さえる必要があります。

(1)関わる人たちと「ミスはつきもの」という認識を合わせてから物事を始めているか
(2)そのミスは決めた進め方を行っていないために発生したか
(3)予想外のことが起きたことによって発生したか

(1)は、予防線にはなります。あえてこれを伝えておくことで自身も含め関わる人たちの思考が「どうしようか」という未来に目が向きやすくなります。

(2)(3)は、ミス発生時の思考の整理になります。

(2)の場合は、俗に言う「ルール違反」です。そのため決めたルールを行動できていなかったことを指摘し、ミス発生者に二度と起こさないための改善を決めてもらいます。

(3)は、致し方ないので関わる人たちと二度と起こさないためのルールを相談して決めていきましょう。

ミスが起こるのはしょうがないとシンプルにとらえ、ミスが起こったときに上記の対応ができるように、自身及び周りと決め事(ルール)を作っておくことがまず、ミスを減らす第一歩となります。

ミスが発生したら最初に未来を決める

上述したとおり、ミス発生時には上記を確認して二度と起こさないための行動をとれば、OKというシンプルな話ですが、これだけでは上手くいかないことが多いもの。そこで、よりミスを減らす方法があります。

それは、ミスが起こったら、最初に未来を決めることです。未来を決めるとは、いつまでにこのミスを0にするのか(もしくは、ミスは何件以内にする等)という目標を立てることです。これを真っ先に意識しましょう。情報収集してから対策を練ることが一番ではないのかと思う方もいると思いますが、理由はこうです。

目標を決めず、解決策のみにフォーカスすることで、その解決策のゴールは何になるでしょうか。また、いつになったら解決の状態にするのでしょうか。人は未来(ゴール)に視点が向いていない状態で策を練っても間違える可能性が高くなります。なぜなら、いつまでにこのミスを0にするのかと、ミスを2件以内にするのでは、解決策が変わってくるからです。つまり、ゴールを明確に設定しておくことで、解決の精度が変わりミスの発生数も減っていきます。

未来を決めたら、ルールを確認する

未来を決めた後には、「さあ、解決策だ!」となりますが、さらにその解決策の精度を上げたりミスを減らしたりするコツがあります。

それは、未来を決めた後に「そのルールはどうなっているか?」を確認することです。これは、「ミスは起こるもの。ミスを把握する準備をする」の項にて伝えたことが実施できていたら容易になります。ミスが発生した直後に「どうしよう……」の思考でなく、「ルールってどうなっていたかな?」と思考をまず働かせ、そのルール通りの動きが出来ていなかったのか、ルール通りの動きは出来ていたがミスが発生したのかで、報告する内容が変わります。ポイントは、この動きをすることでみなさんの今まで培ってきた知見の使い道が変わるのです。

ルール通りの動きが出来ていないために起こったミスであれば、自身が二度とミスを起こさないためにどう行動を変えるかをセットで報告すること。ルール通りの動きは出来ていたがミスが発生した場合は、みなさんの知見を使い、改善策を提案しましょう。この動きが組織内で出来ると周りからも「あの人は冷静に物事が判断でき、経験を生かしてくれる」という評価になっていきます。

現状のルールを認知する

ここまでテクニック的な部分でお話ししましたが、必須としての動きは、現状のルールを把握しておくこと、自分のものにしておくことです。これが出来ていなければ、職場での仕事の話が成立しなくなることを意味します。

「何でこんなふうに行っているんだ?」ということを前提のルールを踏まえて説明するのと、ルールの話は全くしない場合とでは、周りの理解度も違ってきます。

現状のルールを経験した上で改善案を出す

現状のルールを認知した上で改善案を伝えるときに、さらに周りの理解を得やすい手法があります。それは、現状のルールを経験した上で改善案を出すことです。「郷に入っては郷に従え」をまず実践しましょう。元々その会社にいる方はそれが最善と思いやっていること、かつその環境で平穏に仕事するために行っていることでもあるので、なかなか変えようとなりません。その状況で「外ではこうやっているから変えよう」と提言しても同意は得難いものです。

そのため一旦、郷に入り同じことをやっていきましょう。一度やってみてではなく、何回もやって自身の中で「こう言えばその郷の人は理解できる!」という段階まで来たときに伝える言葉は、郷の経験がある上での提案なので信ぴょう性も増し、周りの理解も得やすいはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。みなさんに認識していただきたかったことは、どんな会社でも行動するためのルールがあり、そのルールを基準に話をしていくこと=相手と共通理解を図って話し合いができるということになります。このことを踏まえて自身の経験を生かしたやりがいのある職場にしてみてください。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

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