マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の用語や問題を解説するシリーズ。今回は、定年後のセカンドキャリアについて考察します。

再雇用を考えると、定年60才が65才へ、健康寿命が男性70才、女性72才、平均寿命が、男性81才、女性87才、さらに物価が上がっていきそうです。

定年を60才と考えると、10年以上健康的でさらに10年以上時間があります。また、預金してもインフレ率が2%になれば、物価がどんどん上がっていきますので、せっかく貯めたお金の価値も下がります。年金額も今の物価で考えるのではなく、物価が上がったうえで考えるとお金にまつわる不安がつきまといます。

ますます、セカンドキャリアを考えていく必要がありそうです。

当然、健康寿命を考えると、70才を過ぎると不安が尽きないものです。老後はゆっくりと過ごしたいと考えていても、セカンドキャリアは誰しもが考えなければならない時代になってしまいました。セカンドキャリアについて、どのように考えることが重要かをお伝えします。

どの位置に自分がいるかを考える

識学が実施しているコンサルでは、「位置」という概念を大事にしています。セカンドキャリアを選ぶうえで、どの位置にいるのかを整理することが重要です。

生まれてから今まで、様々な環境に身をおいて、その場所で選択し続けてきたと思います。その環境は選べるものもあれば、選べないものもあります。人は家族のもとにその一員として生まれてきます。社会の一員としても生まれてきます。

その後、様々なキャリアを積んで今に至るでしょう。私たちは、自己紹介する際にその所属していたコミュニティとそのコミュニティで何をしてきたか、しているかを伝えます。履歴書を書く際には、まさに過去の所属してきたコミュニティと実績を書きます。採用する側もその書類を見て面談するかどうかを考えるでしょう。転職活動をしたことがあれば、当たり前と思われるかもしれませんが、セカンドキャリアにおいても同じです。

過去、どのようなコミュニティに所属してきたか、そのコミュニティはどのように社会では思われていたのか。そして、自身がコミュニティで何をしてきたか、コミュニティを通じて社会に貢献してきたことを考えることが重要です。

若い時はまずはお金を稼ぎたい、やりたいことを探したいと思われていたのではないでしょうか。年をとっても大きくは変わらない気がしています。しかし、両者は人生を歩んできた経験が異なります。

生きていく上でお金は重要です。しかし、お金に関しての事情は人それぞれですので、ここではお金以外のやりたいこと探しについて考えていきます。

やりたいことを考えるには何をもとに決めるのでしょうか。自分自身の経験です。

これまでどのコミュニティに自分を置いて、そこで何をしてきたか、そして、その経験を活かし、どのコミュニティ、どの立ち位置に今後、身を置くかです。

若い時は、何をすればいいか分からないので、就職先の会社に求めるでしょう。セカンドキャリアでは、その職場に何を与えることができるか、自分の経験で手助けできるかを考えることが重要です。

何をしたいかよりも、求められることで何を提供できるかを考えていく必要があるのです。

定年後、新しい職探しをする際に、何でもしますという態度であれば、年が若い人の方が会社にとっては魅力を感じます。会社は、シニア層には過去の経験で何を与えてもらえるかを考えます。

また、セカンドキャリアで起業を考える際は、会社ではなく市場や社会に何を提供できるかと言うことになります。

どの位置に立つか、つまりどの位置で自分が求められることを提供できるかがポイントです。

再就職活動での書類選考のコツ

社会の一員としてどの位置で貢献できるかを考えて、いよいよ再就職活動を考えます。

よく報道でも、早期退職制度を利用した後の転職活動で苦労すると言う話が出てきます。自分の価値は誰が決めるか、自分では決めることが出来ません。「自己分析はできても、自己評価はできない」とコンサル先の会社によく伝えます。しかし、こう伝えても自己評価はできると考えている人は非常に多いです。

「自分は必ず再就職できる」は錯覚です。再就職とは、採用側が雇用することです。ですから選ばれる必要があります。

どのようにしたら選ばれるのでしょうか。前述したように、自分の位置を考えることは分析です。そのうえで、適切な書類をつくり、どのような自身の経験を企業は求めていて、何をその企業で活かせるかを伝えましょう。

その会社は何を求めているのでしょうか。募集していると言うことは必要であるから募集しています。今後、ますます人口が減ることを考えると人手不足になります。だからと言って、誰でも必要ではないのです。どういう経験が応募先の企業で活かせるのか、そもそも応募した先の企業がどのような会社かを知ることは最低限のマナーです。

就職活動しながら、何を企業側が求めていて、自分がどのようなことを提供できるのかを、把握しきれていない部分があっても、就職活動しながらアップデートしていくことが重要です。

今の時代、テクニック等の情報は数多くありますので、そちらを参照してもらって、ここで強調したいのは、自分の経験を活かせる場所を探すのではなく、自分の経験を活かせることを伝え選んでもらうということです。

ですから、過去の経験を伝えることよりも、過去の経験から未来の戦力として選んでもらうことが必要です。

再就職後のリスタートで大事なこと

定年後の再就職においては、未来に向けて自身を選んでもらうことが必要ですが、選んでもらった後に何が出来るかを考えることも必要です。

どんな年齢になっても、過去には戻れません。当たり前のことですが、過去の環境とは異なるので、新たな環境での新たな挑戦が待っています。つまり、常に先を見て選んだ環境で何ができるかを考える必要があります。また、選んでもらった立場ですから、貢献していく必要があります。

その貢献も求めることが出来ることが重要です。

現環境で求められてきたことに対して期待に応えてきた方は、新しい場所でその期待に応えるのみです。新たな環境に安定を求めたり、のんびりできればいいと考えるのであれば、アルバイトのような仕事になってしまいます。そういう考えでは、期待して採用した企業側は期待外れと感じることでしょう。

先の未来を描く際に、お互いの不一致はお互いに不幸となります。

ですので、新たなスタートに必要なことは就職活動している際に、応募企業と未来を共有することが出来るかどうかです。当然与えられる役割がありますので、その役割を果たすために就職します。

一方、独立して個人事業主等、新しい一歩に踏み込むときは、求められることはお客様、市場となります。もちろん市場や社会から求められなければ起業は成功しませんが、いずれにしても基本的には求められることに対して、どのような立ち位置で社会に位置するかを考えることが重要です。

待ちの姿勢であったり、何か仕事が欲しいと言う受け身ではうまくいきません。

定年後のセカンドキャリアには、自ら選ぶということ、選ばれることを理解して、社会のどの位置で生活していくのかを考えることが重要になります。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

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