数年前から、サウナが話題に上がることが多くなっている。サウナブームはなぜ始まったのたろうか? マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp/)」から、サウナに関する知識を得よう。

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皆さんはサウナにどういったイメージをお持ちでしょうか?

・心身がととのう場所
・日頃の疲れを癒すことができる場所
・できる経営者やビジネスマンが行く場所

上記のようなイメージが思い浮かぶかもしれません。しかし、ひと昔前まではこういったポジティブなイメージはなく、むしろ「サウナはおじさんっぽい」というネガティブイメージがほとんどでした。

本記事では、そんなサウナが人気になった理由とサウナによる効用をわかりやすく解説します。

サウナのイメージは「おじさんっぽい」から「健康的」へ

人気になる前、若者にとってのサウナのイメージは「おじさんっぽい」でした。その他、むさくるしい、臭いなどが占めており、実際にサウナは「おじさんたちが集う場所」だったのです。

過去には「おじさんっぽい」イメージが主だったサウナですが、現在では「健康によい」といったポジティブな印象を持っている方が多いようです。

ここには、サウナ好きを公言する女性が増えてきたことも影響しています。例えば、広瀬すず、北川景子、天海祐希などの芸能人はサウナ好きを公言しており、サウナのむさ苦しいイメージは既に大きく変わっていることがわかります。

サウナ人気の3つの理由

このように広まりつつあるサウナ人気ですが。その理由には以下の3つがあります。

・若者にはクローズドカルチャーが人気
・健康によいイメージが広まった
・「サ道」が広まった(サウナでととのうブーム)

それぞれ詳しく解説します。

1.若者にはクローズドカルチャーが人気

少し前までは若者達が興味を持っていたのは、オープンなカルチャーでした。オープンなカルチャーとは、数千人、数万人が動員されるフェスやクラブなどです。

こうした開けた環境を好んでいた若者ですが、現在はその興味がクローズドカルチャーに移っているようです。クローズドカルチャーとは、ある程度同じような思考を持った人とゆったりと話せる、バーやスナック、サウナなどのことです。

省エネで楽しみながらも、どことなくマイノリティに感じられるいわゆる「ツウな場所」が現在若者の間で流行っています。

2.健康によいイメージが広まった

サウナは健康によいというイメージが普及してきたのも人気の理由です。サウナでは日頃触っている携帯を持ち込むことができない場所です。したがって、サウナでは何をするわけでもなくボーッと過ごすことになります。普段から忙しいビジネスマンが心身を癒すことのできるサードプレイスとして、サウナにスポットが当てられているのです。

3.「サ道」が広まった(サウナでととのうブーム)

「ととのう」という言葉のブームを牽引した「サ道」も、サウナのイメージアップや流行拡大の大きな理由です。「サ道」はタナカカツキ氏が手がけるサウナの漫画で、この中で取り上げられた「ととのう」という心地のよい状態が流行り、サウナに行きたい人が増えたのです。

サウナ人気はいつから始まったのか

ここからはサウナ人気はいつから始まったのかを考えます。以下はgoogleで「サウナ」と検索された回数を示したグラフですが、2019年に大きく回数が上昇していることがわかります。

したがって、直接的なサウナ人気は2019年に始まったといえそうですが、そのサウナ人気に至るまでには他に理由がありました。

ここからはサウナが人気になるまでの道のりをわかりやすく解説します。

SNSで「サウナー」が繋がった

「サウナー」とはサウナ愛好家のことです。今まで隠れていたサウナー達が繋がり、独自のサウナに対する見解を共有し始めたのが2009年頃のSNS上での動きでした。後述するタナカカツキ氏のエッセイが生まれたのも、こうしたSNS上でのサウナ愛好家たちのやりとりがきっかけだったのです。

2009年の「サ道」が幕開け

SNSブームを受け、タナカカツキ氏が手掛けたエッセイ「サ道」が始まったのは2009年。当時はまだ「ととのう」という言葉が出てはいませんでしたが「サ道」が人気になり始めました。2011年には書籍化、16年には漫画化された「サ道」は少しずつ非サウナーにも認知され始めることになります。こうしたサウナを主題とした作品が生まれたことで、サウナの認知度は少しずつ向上しました。

2018年サウナイキタイの誕生

2018年にはWEBサイト『サウナイキタイ』が誕生しました。サウナーにとって痒いところに手が届くデータベースともいえる『サウナイキタイ』では、さまざまなサウナの情報を検索することができます。こうしたサービスが展開されたことで、サウナ通じゃない人であってもサウナ情報を調べることができるようになりました。

2019年のドラマ「サ道」がブームのきっかけ

2019年、タナカカツキ氏の漫画がついにドラマ化されました。ドラマ化により人々のサウナへの認知度は上昇し、サウナブームのきっかけとなりました。

「サ道」では一般的なドラマとは異なり、エンドロールに次回のサウナ情報や登場したサウナの温度や湿度、注意書きなどが提示されるのが特徴でした。

そして、ドラマの中で紹介された「ととのう」という言葉がその後のサウナブームを牽引することになります。既に漫画の時期から「ととのう」という言葉は出ていましたが、以下の表をとると「ととのう」の検索が大きく増加したのは2019年ごろです。

「ととのう」とはサウナ室から出た後に水風呂に入り、その後イスなどで休憩することで得られる至福の瞬間のことです。「ととのう」という言葉が流行ったことで、サウナ店でも「ととのう」を宣伝文句にする企業が増えました。

2021年「サ道」が再度ドラマ化

そして2021年2月には特別版スペシャル番組として、「東京の空の下、少し離れてととのう」が放映されました。「豊島園 庭の湯」を紹介した「サ道」の続編です。また、2021年7月からは再度「サ道」スタート。再度サウナは盛り上がっています。

サウナでは何が求められているのか

ここまではサウナ人気が始まった背景を説明しましたが、サウナに入ることで一体どのような効果があるのでしょうか。実は、ビジネスマンたちがサウナを好むのは、この「サウナだからこその効果」に惹かれてのことなのです。

できる人がサウナに入るのは以下の理由からです。

・リラックス
・「ととのう」こと
・よく眠れること

それぞれわかりやすく解説します。

リラックス

サウナにはリラックス効果があります。サウナに入ることで思考が強制的にシャットダウンされます。サウナに入ると必ず途中でボーッとする瞬間が訪れるのは、思考を停止させなければならないほど体が危険な状況に陥るからです(80℃〜100℃は人間にとって危機的状況)。

忙しいビジネスマンは常に頭の中に膨大なタスクを抱えています。サウナに入り思考を強制的にシャットダウンすることで、リラックスした状態になれるのです。

「ととのう」こと

「ととのう」とはサウナの後に感じることができる恍惚感です。サウナーの方にとっては「ととのう」ことがサウナの醍醐味という方も多いです。

こうした感覚を味わうことができるのは以下のメカニズムのおかげです。「ととのう」ためにはサウナ、水風呂、外気浴をしていきます。まずはサウナに入り、心拍数が通常の2倍程度になるまで待ちます。この際、体の物質交換が進むので体の老廃物が排出されています。その後シャワーを浴びて体を綺麗にしてから水風呂に入ります。水風呂に入った瞬間は、交感神経が優位に働きますが、その後外気浴の瞬間は副交感神経が優位に働きます。外気浴をする際、水風呂に入って収縮していた血管が急に広がることで血流がよくなります。

このように、交感神経が反発して副交感神経優位になり、身体がリラックスした状態になることで「ととのう」のです。

よく眠れること

日本サウナ学会代表理事の加藤容崇氏によれば、サウナに入った日の深い睡眠状態は28%程。サウナに入らなかった場合の14%と比べて、深い睡眠の時間が2倍近くになったといいます。

忙しいビジネスマンは睡眠時間が短くなる傾向があるため、サウナに入ることで深い睡眠時間を増やし、効率的に身体を休めることが可能です。

サウナブームの問題点

サウナがブームになるのは、サウナ業界にとっても良い兆候だと思うかもしれません。しかし、サウナブームには問題点もあります。

・都内の人気店は行列になる
・「汗スプラッシュ」などのマナー違反
・コロナ禍でのおしゃべり

それぞれの問題点を詳しく解説します。

都内の人気店は行列になる

サウナ人気が続くことで、ある一定のサウナの人気店は行列ができるのがデメリットです。元々サウナを利用していた古参サウナーたちがいなくなり、新規サウナーばかりが増えてしまいます。

すると、サウナブームが去った時の顧客が激減する可能性があるため、必ずしもサウナ施設にとってもよいことではありません。

「汗スプラッシュ」などのマナー違反

サウナ室で体をゆすり、汗を飛ばす新規のサウナーが増えたことも問題です。サウナ室は本来は静かに汗を流す場所ですが、新規サウナーはサウナのルールを知らないこともあるため、こうした問題が発生しています。

サウナが誰もが気持ちよく入れる場所から遠のいてしまっている現実があります。

この他にも、サウナから上がった後にシャワーを浴びずにそのままお風呂へ入る「汗流しカットマン」なども急増しています。

コロナ禍での会話

コロナ禍でのおしゃべりも問題になっています。コロナ禍でも営業を続けている店舗もありますが、サウナ室は三密の空間であるため、特に会話は控えなければなりません。

集団でサウナにきた若者集団がサウナに入り会話をすることがあるようで、こうした事情を受け、止むを得ずサウナを停止したサウナ施設もあります。

サウナに限った話ではありませんが、新規参入者が増えることでこうした問題が増えていることは念頭に置いておくのがよいでしょう。

サウナーに人気の老舗サウナ施設

サウナーに人気なサウナ施設は以下があります。

・なにわ健康ランド 湯~トピア
・天然温泉 満天の湯
・小松湯

それぞれの施設の特徴をわかりやすく解説します。

なにわ健康ランド 湯~トピア

「なにわ健康ランド 湯~トピア」は、大阪府東大阪市に位置するサウナ施設です。サウナ室の温度は90℃、水風呂は15℃とサウナーにとって適温です。通称「なにけん」とも呼ばれるなにわ健康ランドでは、セルフロウリュを楽しむことができます。100℃近くまで温度が上がる高温スペースもあるので、高温好きのサウナーにはたまりません。

天然温泉 満天の湯

神奈川県に位置する「天然温泉 満天の湯」はサウナ室の温度が76℃で水風呂の温度は17℃と高温好きなサウナーには少し物足りないかもしれません。しかし、フィンランド式サウナと低音スチーム塩サウナの2種類を設けているため、ふたつのサウナを楽しめるのは魅力です。照明は少し薄暗いですが、自然光が差し込むその雰囲気はまさに「満天の湯」の名前通りのサウナ施設です。

小松湯

同じく神奈川県に位置する「小松湯」のサウナ室の温度は120℃、水風呂の温度は11.1℃とその温度差は「ととのう」ために十分すぎる温度です。汗をドバーッと出して冷たい水風呂で休憩できる小松湯は、まさにサウナーにはたまらない「部活動サウナ」といえそうです。

まとめ

本記事ではサウナが人気になった理由とサウナによる効用をわかりやすく解説しました。

サウナはうまく活用すれば、健康にもよくリラックス効果も期待できます。しかし、マナーを守らないサウナーも増えているため、サウナに入る際はきちんとルールやエチケットを守り、周囲に迷惑をかけないよう注意しましょう。

【この記事を書いた人】
小林カズシ/コンテンツディレクター
金融出身のコンテンツクリエイター。 三井住友銀行退職後、フリーランスとして活動。 現在は、電子書籍の執筆からクリエイティブ作成、ディレクター業務、ライティングまで幅広く行っている。 所持資格は簿記2級など。

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いかがでしたか? サウナが話題なっているわけがおわかりいただけたでしょうか。マナーを守って健康やリラックス効果に有効なサウナを活用したいものですね。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/

 

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