冷たいワインが注がれて、しばらく置かれているにもかかわらず、まったく結露しないタンブラーを見つめ、首をかしげる各国首脳。
これが2010年に日本で開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)での昼食の光景だった。
首脳陣の驚きはそれだけではない。手にすると拍子抜けするほど軽かったのである。金属製カップからイメージする“重さ”がなかったのだ。
そのタンブラーを作ったのは、洋食器製造で知られる新潟県燕市の真空容器メーカー、セブン・セブン(ブランド名サスギャラリー)である。タンブラーはチタン製で、真空の二重構造。ここで紹介するものと同じ構造だ。
同社は創業以来、ステンレス製魔法瓶の製造を中心に展開していたが、そこで培った中空技術をもとに、世界初の真空二重チタンタンブラーの実現に挑んだ。
チタンは硬いため成形の過程ですぐに割れてしまう。効率のよい成形方法、安定した真空技術、表面仕上げの調整など、数々の難題を解決していったのは、日本でしか実現できない高度な加工技術を誇る燕の職人たちだ。
夏は氷をたくさんいれた冷たいオン・ザ・ロックで、冬は温かいお湯割り焼酎で、真空二重構造による抜群の保冷保温効果を実感できるだろう。
商品名/真空二重チタンの「タイタネス・タンブラー」
メーカー名/サスギャラリー
価 格(消費税8%込み)/19,440円