取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った眞子さん(仮名・40歳)は、29歳の時に結婚して、現在は大阪府内で夫と子どもとの3人暮らしをしています。義母からは子どもの催促が結婚当初から続くも、夫婦も子どもを望んでいたこともあり、最初は受け流せていたそう。しかし何年経っても子どもを授からなかったことで、その言葉は負担へと変わっていきます。
「私は結婚後も仕事を続けていました。それは、マイホームを持つために夫婦で共働きを選択したんです。でも、ずっと専業主婦だった義母からは私の行動が信じられないようで、働いていることにずっと難色を示していました。でもその『子どもができたら仕事を辞めるのよね』という言葉もまったく気にせずに受け流せていたんです。不妊なのかもしれない……と思うまでは」
仕事を辞めた途端に妊娠。仕事を辞めろと言い続けた義母・夫が強い立場に
3年ほどは自然に授かるだろうと特別な治療などは行わず。しかし、4年目に初めて病院に行き、不妊検査を受けることになりますが、そこで夫婦の意見の対立が生まれます。
「検査の結果、私には主だった原因がありませんでした。なので、病院から夫も検査を受けるように勧められたんです。でも、夫はそれを拒否しました。『俺に原因はない』の一点張りでしたね。
私も余裕がなかったので、そこで大きなケンカに発展してしまって。そこで夫は『仕事を続けているのが良くないんじゃないか』と言ったんですよ。結局、義母と夫はどちらにも考え方の偏りがあって、似たもの親子だったんですよ……」
そこから1年ほどは仕事を続けながら、タイミング法などを試していたという眞子さん。その頃には旦那さんの意見は完全に義母寄りになり、従うかたちで職を手放します。
「もう仕事を辞めろという意見に反発する気が失せてしまったんですよね。もう何を言っても無駄だし、ずっと妊娠しないということはもしかして本当にそれが原因なのかもという思いも、やっぱり大きくなっていって。
そして、本当に仕事を辞めてから2か月ほどで妊娠したんですよ。とても嬉しかったですけど、振り返ると義母と夫が正しかったと体現してしまったようなもの。そこから義母と夫の意見を無視できないようになっていきました。まだ2人が同じ意見なら従えばいいだけだったものの、相反するものだとどうしていいのか……」
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