過去1年間の『サライ』の記事や広告の中から、サライ世代に優しい商品やサービスなどを選定し、表彰する「サライ大賞」。今年も大賞と各部門の賞が決定しました。
この1年間『サライ』に掲載された商品やサービスなどから選定される「サライ大賞」。今年も読者による投票と審査員による選考により、大賞ほか各賞が決定した。審査員は写真家の田沼武能さん、セイコーエプソン社外取締役の松永真理さん、デザイナーの橋本夕紀夫さんにお願いした。
●審査員
【大賞】
ヤマハ発動機『シースタイルチャーター』
大賞はヤマハ発動機が提供する『シースタイルチャーター』に決定。本サービスは船を貸し切り、熟練の船長が操縦してくれるもの。船や、船舶免許を持っていない人でも気軽に利用でき、船上でパーティや、夜景観賞クルーズなど様々なマリンライフを楽しめる。
「免許を持っていないと遊べないとなると限定されてしまうが、船長付きで遊べるというところが素晴らしい。誰でも気軽に利用できることで、今後はもっと一般化すると思います」(田沼さん)
「クルーザーなどのマリンレジャーは、とても敷居が高かった。それが1日単位で楽しめて、さらに船長が付いている。船上で女子会もできるのは、とても魅力的ですね」(松永さん)
「船を所有してないとできなかったものが気軽に楽しめ、今まで非日常的だったものが日常的に使えるのがいい」(橋本さん)
【年齢に優しい部門賞】
ミズノ『ブレスサーモ アンダーウエアプラス』3500円
年齢に優しい部門賞は、体から出る汗などの水分を吸収して発熱するミズノ『ブレスサーモ アンダーウエアプラス』に決定した。選考会では、「ブレスサーモ」の温かさを体感できるサンプルにより、発熱力を実体験。
手ごろな価格でありながら高い機能性を備えている点が受賞につながった。
「これは薄手で温かいので、これまでのように冬は厚着で過ごすということがなくなり、冬のファッションの価値が変わってきますね」(橋本さん)
「カシミヤのように手触りがいいのに、この価格で驚きました」(松永さん)
「ヒーターに当たっているかのように、すごく温かい」(田沼さん)
【サービス・企画部門】
ホテルグランヴィア京都『梅林さんと辿る「土地の記憶」宿泊プラン』
サービス・企画部門賞に決定したのは、ホテルグランヴィア京都が販売する、プライベートツアー付き宿泊プラン『梅林さんと辿る「土地の記憶」ツアー』だ。NHK『ブラタモリ』にも出演した人気ガイド・梅林秀行さんが案内する。博学のタモリさんをもうならせた京都の街歩きの達人、梅林さんと京の街を「高低差」という斬新な視点で歩く旅として企画。梅林さんを一日ひと組限定で借り切り、贅沢な時間を味わえる。
「専門家による、しかも非常に楽しい逸話も聞けるガイドですね。これまでとはひと味違った京都が楽しめるのは魅力」(橋本さん)
「京都は様々なガイドが既にあるなか、それらにはない新しい京都を知るよい機会になる」(田沼さん)
【人物部門賞(サライ・シニア・オブ・ザ・イヤー)】
箱石シツイさん(理容師・102歳)
人物部門賞は、栃木県・那珂川町で理容室を営む箱石シツイさんが選ばれた。審査員が感銘を受けたのは、102歳を迎えた今でも現役で理容師を続けていることだ。
ご主人は昭和20年、満州(現・中国東北部)で戦死したという。一時は生きる気力が失せて、親子心中まで思い詰めたという箱石さん。若い頃は店を開店する際の借金返済や息子の学費と、様々な困難を乗り越え、郷里の那珂川町で『箱石理容室』をオープンさせた。そして、今年で理容師歴83年を迎える。
16歳から理容師の道一本で今日まで働き続ける箱石さん。昔からのお馴染みさんも来なくなったり、亡くなったりして、現在髪を切りに来るお客さんはだいたい月に5~6人程度。しかし、理容師の命といわれるハサミは、刃こぼれしてきたら砥石でまた切れるように研ぐ。今もハサミの準備を怠らない、腕の確かな現役の理容師だ。
「まだやろうという気力が素晴らしい」(田沼さん)「多くの方に勇気が与えられたと思います」(松永さん)「ひとつのことを続けられる精神に脱帽です」(橋本さん)
※この記事は『サライ』2019年12月号より転載しました。本文中の年齢・肩書き等は掲載時のものです。(取材・文/善村苑香 撮影/末安善之、小倉雄一郎、奥田高文、宮地 工)