奈良県北部に位置する大和郡山市。戦後より皮革産業が盛んなこの地で、70年にわたり紳士靴づくりを続けてきたオリエンタルシューズは、平城遷都1300年を迎えた2010年に自社ブランド「倭イズム」を立ち上げた。
企画者の亭 良行氏は、地場産業を盛り上げるべく“メイド・イン・ナラ”を追求。奈良県の伝統工芸、鹿革(ディアスキン)に着目するなか、皮革の老舗、藤岡勇吉本店が手がけた鹿革のなめらかな質感に魅了された。
「鹿革は、吸湿性や通気性、保湿・保温性に優れ、手触りもしっとりしている魅力的な革。もっぱらジャケットや手袋用の素材として使われていましたが、藤岡さんの鹿革を見てぜひとも靴に仕立てたいと思いました」(亭氏)
しかし、薄く柔らかく、水が浸透しやすい特性から、靴にするのは至難のわざであった。濡れても傷みにくい加工をするなど、革と製法に工夫を重ねることで、ついに成功した。
中敷にも鹿革を贅沢に使用し、汗で蒸れにくいのも特徴。デザインはアンティーク調で、経年変化で味わいも増す一足。誰もが気持ちよさに驚愕するその履き心地を、ぜひお試しあれ。
【今日の逸品】
倭ism 鹿革のカジュアルシューズ
オリエンタルシューズ
19,224円(消費税8%込み)