写真・文/矢崎海里
だしや香味野菜、スパイスなどともに、ナッツも減塩と上手に付き合う食材の1つです。
噛んだときの香ばしさや食感がよいアクセントとなります。
今回は、なかでも日本人になじみ深い「クルミ」に着目。
良質な脂質の宝庫である、クルミを活用した減塩レシピをご紹介します。
クルミの脂質とは?
クルミは、良質な脂質を多く含んでいることが特徴です。
脂質というとダイエットの敵というイメージもありますが、エネルギー産生に関わり、脂溶性ビタミン(ビタミンA・C・E・K)の吸収を助けるはたらきなどがあります。
中でも多く含まれるαリノレン酸は、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)とともに、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)と呼ばれています。
α(アルファ)リノレン酸はアレルギー疾患を予防するほか、高血圧、心疾患、がん予防効果もあるとされています。
必須脂肪酸であるα(アルファ)リノレン酸は、体内では合成できない脂肪酸です。
そのため、食品からしっかりと摂取することがとても重要です。
佃煮やくるみゆべし、クルミそばなど、クルミは古くから日本人にもなじみ深いナッツです。
ここからは、クルミの香ばしさを生かした減塩レシピをご紹介します。
食べる煮干しとクルミの佃煮
【材料】(作りやすい分量)
食べる煮干し(食塩無添加) 50g
クルミ(無塩) 30g
醤油 大さじ1
砂糖 大さじ1
いりごま 少々
【作り方】
1.食べる煮干し・クルミをフライパンに入れ、から煎りし、一度取り出す。
2.醤油・砂糖を弱火で煮立たせる。
3.1を加えて和え、いりごまを振ったら完成。
食べる煮干しの旨味と、クルミの食感が楽しいご飯のお供が簡単に作れます。
食べる煮干しは食塩無添加の物を選びましょう。
鰹節や昆布などを入れてアレンジも楽しめます。
食塩相当量:0.6g(1人前:市販の佃煮と比較し約40%減塩)
かぼちゃのハニークルミ和え
【材料】(1人分)
かぼちゃ 80g
クルミ(無塩) 8個
味噌 小さじ1
水 小さじ2
はちみつ 小さじ2
【作り方】
1.かぼちゃは1cm程度のサイコロ状に切り、耐熱容器に入れて600Wで2分加熱する。
2.クルミは一度から煎りした後、すり鉢で細かくし、味噌・水を加えて練る(またはビニール袋に入れて砕き、調味料と混ぜ合わせる)
3.2にはちみつを加え、かぼちゃと和える。冷蔵庫で冷やしたら完成。
かぼちゃの甘さとくるみの風味がマッチした、箸休めの一品です。
上から粗めに砕いたくるみをトッピングすれば、食感の変化も楽しめます。
かぼちゃに豊富に含まれるビタミンAは脂溶性で、クルミとの相性も抜群です。
食塩相当量:0.7g
* * *
ナッツは噛みごたえもあり、小腹が空いたときのおやつにも最適です。
選ぶときは、無塩や素焼きのものを選び、上手に栄養を摂りましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。