写真・文/矢崎海里
「夏も近づく八十八夜~」という歌い出しではじまる童謡、「茶摘み」。
立春から数えて八十八日目、夏の準備を始める季節の変わり目として、縁起のよい日とされています。
ちょうどこの八十八夜のころ、4月下旬~5月上旬に摘まれたお茶は「新茶」「一番茶」と呼ばれます。
今回は新茶の季節に食べたい、茶葉を使った緑茶の風味を楽しむレシピをご紹介します。
新茶とは?
4月下旬~5月上旬に摘まれた新茶が出回るのは、5月末~8月上旬頃までです。
その後摘み取る二番茶、三番茶に比べ栄養価が高く、新茶でしか楽しめない爽やかな風味も感じることができます。
緑茶を美味しく入れるお湯の温度は70度~80度。
抽出も40秒と短く、軽く回して注ぐと美味しく淹れられます。
この時期に摘まれたお茶を飲むと、無病息災でいられるとして、縁起物としても知られています。
今回はいつもと違った楽しみ方として、料理への活用をご提案。
爽やかな風味で、おいしく減塩しましょう。
ささみの緑茶衣天ぷら
【材料】(1人分)
鶏ささみ 2本
酒 大さじ1
白だし 小さじ1
小麦粉 少々
天ぷら粉 大さじ2
水 大さじ3
緑茶(茶葉) 大さじ1/2
揚げ油 適量
【作り方】
1.鶏ささみはすじを取り、水気を拭き取り、酒・白だしに漬ける(2~3時間)
2.天ぷら粉を水で溶き、緑茶の茶葉を入れる(冷たい水で溶くとカラッと揚がります)
3.ささみに小麦粉をまぶし、2の衣をつけ、170℃の油で揚げる。
4.中まで火が通り、油を切ったら完成。
みんな大好きささみ天をアレンジしました。
ささみは揚げる前に酒・白だしで下味をつけることで、何もつけなくても十分塩味を感じることができます。
天つゆや塩をカットでき、減塩に繋がることはもちろん、しっかりと新茶の風味も楽しめる一品です。
食塩相当量:0.4g
豚ひき肉の緑茶おろしバーグ
【材料】(1人分)
★豚ひき肉 80g
★絹豆腐 50g
★玉葱 1/4個
★生姜(すりおろし) 小さじ1
★片栗粉 小さじ1
★緑茶(茶葉) 小さじ2
★めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ1/2
サラダ油 小さじ1
大根 1cm
ポン酢 小さじ2
万能ねぎ 少々
【作り方】
1.玉葱はみじん切りにする。万能ねぎは小口切りにする。
2.大根はすりおろし、ポン酢と和える。
3.ボウルに★の材料を入れ、こねる。
4.食べやすい大きさにまとめ、サラダ油をひいたフライパンにいれる。火をつけ、弱火で両面じっくり焼き火を通す。
5.うつわに盛り、おろしポン酢をかけたら完成。
一口口に入れると、緑茶の香りが広がります。
豆腐が入っているのでふわっとしていて、緑茶の風味を邪魔しないおろしポン酢でさっぱり食べられます。
たくさん作って冷凍、パン粉をつけてメンチカツにリメイクもおすすめです。
食塩相当量:1.4g
* * *
「ホッ」とする、心温まる味、緑茶。
この時期しか味わえない新茶を、料理にも活用してみませんか。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。