文/鈴木拓也
日本人の健康志向に乗ってブームが続くサバ缶だが、サバと薬膳を組み合わせて、さらなる健康効果が期待できるレシピが詰まった、『「サバ薬膳」簡単レシピ』(青春出版社)を今回は紹介しよう。
薬膳というと、高価な中華食材を活用した少々敷居の高い料理がイメージされるかもしれない。しかし、本書で扱われるのは「ゆる薬膳」。サバ缶やしめサバに、ニラ、黒きくらげ、らっきょうといった、お馴染みの食材をプラスして作るお手軽料理だ。
中医学の視点では、サバには「活血」といって、血行を良くし、老廃物を洗い流す作用があり、肩こりから美肌まで様々な効能があるという。栄養学的に見ても、タンパク質やオメガ3脂肪酸のDHAとEPAが豊富で、各種ビタミンやカルシウムも含まれている。これに、同じ活血の作用を持つ植物性食材を合わせることで、不調を改善し、アンチエイジングにもなる「サバ薬膳」ができあがる。例として、本書に掲載のレシピから3つを挙げよう。
■サバニラつくね
【材料(2人分)】
サバ水煮缶:1/2缶(100g)
長ネギ(みじん切り):5cm
ニラ(ザク切り):1/2杷
卵(溶きほぐす):1個
はんぺん:1枚
からし、酢、しょうゆ:適量
【作り方】
1. ボウルに缶汁を切ったサバ、長ネギ、ニラ、卵、はんぺんをちぎりながら入れて、よく練る。
2. フライパンを熱し、小判型にまとめた1を両面焼く。からし酢じょうゆを添えていただく。
■しめサバとタマネギのワイン蒸し
【材料(2人分)】
しめサバ(薄切り):1枚
タマネギ(薄切り):1/2個
白ワイン:大さじ1
レモン(スライス):1枚
塩、こしょう:適量
マスタード:適量
【作り方】
1. 耐熱皿にタマネギを入れてその上にしめサバを並べ、レモンをのせてラップをかけてワインをふり、電子レンジで5分加熱する。
2. 1に塩、こしょうをふり、マスタードを添える。
■サバのみょうが冷や汁
【材料(2人分)】
サバ水煮缶:1/2缶(100g)
キュウリ(薄切り):1本
みょうが(縦半分に切り斜め薄切り):2個
ショウガ(すりおろし):少々
白すりごま:大さじ2
味噌:大さじ1と1/2
水:1と1/2カップ
ごはん:2膳
【作り方】
1. ボウルに味噌を入れて水を少しずつ加えて溶いて混ぜ、サバの身を缶汁ごと加え、キュウリ、みょうが、白すりごま、ショウガを加えて混ぜ合わせる。
2. 茶碗に盛ったごはんに1をかけて食べる。
* * *
著者の池田陽子さんは、薬膳アテンダントで、サバの魅力を発信する「全日本さば連合会」の広報も担当する「サバジェンヌ」。自身サバ薬膳のおかげで、肌のコンディションが劇的に良くなり、肩こりが消え、5kgのダイエットに成功したそう。料理の初心者でも簡単に作れるレシピばかりなので、日頃の食卓に加えてみてはいかがだろう。
【今日の健康に良い1冊】
『「サバ薬膳」簡単レシピ』
http://www.seishun.co.jp/book/20804/
(池田陽子著、本体1,500円+税、青春出版社)
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライター兼ボードゲーム制作者となる。趣味は散歩で、関西の神社仏閣を巡り歩いたり、南国の海辺をひたすら散策するなど、方々に出没している。