文/堀けいこ
学生時代にギターをやっていた人は? サライ世代にこんな質問をしたら、きっと、あちこちで手が挙がるだろ。クラシック、フォーク、ロックとジャンルはさまざまだが、年齢を重ねてもギター愛好熱は冷めやらず、ギタリストのコンサートやライブの観客席は、そんなサライ世代でいっぱいになる。
今回紹介するのは、ブルーノート東京のステージに立つジョン・スコフィールド。“ジョンスコ”と親しみを込めて呼ぶファンも多い、ジャンルを超えて愛されているギタリストだ。
1970年代から現在まで、ジャズ界を牽引し続けているギタリスト、ジョン・スコフィールドは1951年、アメリカはオハイオ州デイトン生まれ。ギターを始めたのは11歳という。1970年にボストンのバークリー音楽院に入学。卒業後、ビリー・コブハム=ジョージ・デューク・バンドへの加入や、チャールズ・ミンガスやゲイリー・バートンといった大御所ミュージシャンらと共演を重ね、“ジャズ・ギターの新たなスター”として注目を集める。1982~85年はマイルス・デイヴィスのバンドに在籍している。
日野皓正、日野元彦の兄弟も参加した初のリーダー・アルバム『ジョン・スコフィールド』は、1978年に日本のトリオ・レコードからリリース。日本のアイバニーズ製のギターでアグレシッブな演奏をする“ジョンスコ”の当時の姿を記憶しているジャズ・ファンも多いだろう。
60代後半を迎えても、その活動はペースダウンの気配すらない
その後も、30枚以上のリーダー・アルバムのほか、数多くのアーティストとのコラボレーション作品を発表しているジョン・スコフィールド。その勢いは留まるところを知らない。とくに近年は絶好調で、2015年発表の『パスト・プレゼンツ』、2016年発表の『カントリー・フォー・オールド・メン』と、2作続けてグラミー賞を受賞している。
5月28日からは、3夜連続でブルーノート東京のステージに登場。昨年9月に発売された最新作の『コンボ66』を引っさげての来日。編成は、ジョンを長年支えてきたビル・スチュワート(ドラムス)に、ヴィセンテ・アーチャー(ベース)、ジェラルド・クレイトン(ピアノ/オルガン)という気鋭のふたりを加えたニュー・カルテットだ。
ふたりのレジェンドが繰り広げる奇跡のセッションに遭遇する
加えて、うれしいサプライズ。ジョン・スコフィールド自身の3夜連続のステージの直後に催される、5月31日の日野皓正の最新ユニットによるステージに、ジョン・スコフィールドがゲストとして登場する。ステージでの共演は42年振りとなる、2人のレジェンドのセッションが繰り広げられる。
現在も年間200以上のライヴ演奏を続けているというジョン・スコフィールド。ブルーノート東京は4年ぶりだが、前回ステージでは客席も口笛と声援の嵐だったという。変わらず熱いそのステージが、あらゆる世代のジャズファンの心を揺り動かすだろう。このライブは見逃せない!
【スケジュール】
ジョン・スコフィールド“コンボ66”
5月28日(火)、29日(水)、30日(木)
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/john-scofield/
日野皓正 with special guest ジョン・スコフィールド
5月31日(金)
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/terumasa-hino/
会場
ブルーノート東京 東京都港区南青山6-3-16
ご予約/お問合せ:03-5485-0088
文/堀けいこ