写真・文/矢崎海里
日本六古窯、というのをご存じですか?
越前、常滑、瀬戸、備前、信楽、そして丹波は日本六古窯といわれており、日本の中世期に陶器生産をはじめ、現代まで継続している陶器産地です。
今回はその中でも丹波焼の郷にある複合施設「立杭陶の郷」を訪ねました。
陶の郷へのアクセス
立杭陶の郷は、里山に囲まれた緑豊かな街、兵庫県篠山市(5月1日から丹波篠山市に市名変更)にあります。
【車でのアクセスの場合】
•舞鶴若狭自動車道、三田西I.Cより車で約10分
•舞鶴若狭自動車道、丹南篠山口I.Cより車で約20分
•中国自動車道、滝野社I.Cより国道372号を東へ車で約30分
•阪神方面より国道176号を北上し、三田市四ツ辻信号を左折、三田より約20分
【公共交通機関を利用する場合】
• JR福知山線「相野駅」にて下車
駅前より「清水」「兵庫陶芸美術館」行きの神姫バスに乗車10分「陶の郷前」で降車
または「立杭公会堂前」降車、徒歩5分
バスは本数が少ないので、タクシーの利用がおすすめです。相野駅から2000円程度で着きます。
見る・体験する・楽しむが全て揃う「陶の郷」
陶の郷は丹波焼の歴史や製法を学ぶ施設や、丹波焼窯元の展示販売、陶芸体験まで見所満載の複合施設です。
入園料は以下の通りです。
高校生以上/200円
団体(20名以上)/160円
小・中学生(団体割引なし)/50円
私が訪れた日は定休日(毎週木曜)でしたが、レストランも併設されています。
カフェやデザートなどの軽食から食事まででき、丹波黒豆を使ったコロッケ定食や黒豆コーヒー、冬季限定でぼたん鍋も味わえます。
のどかな自然の中で陶芸を体験
入り口を入ってすぐの場所に陶芸教室はあります。
受付時間:夏期4月〜9月 10:00〜16:30 冬期10月〜3月 10:00〜15:30
人数:ひとりから体験できます
【粘土細工陶芸料金】
小(500g)1,200円 (お湯のみ、お茶碗、15cm程の皿)
大(900g)1,700円 (丼もの、20cm程の皿)
※6月から8%値上げ予定。別途送料
所要時間:90分
【絵付け体験料金】
湯呑 700円
皿(直径約15cm)800円
※6月から8%値上げ予定。別途送料
所要時間:30分
陶の郷の陶芸教室では、体験後の乾燥、素焼、釉掛け、本焼、完成までをプロの窯元が手がけてくれます。
出来上がりは約1か月半〜2か月程度。
体験が終わってからも、届くまでワクワクしますね。
丹波焼の歴史や製法に触れる
伝産会館では、鎌倉〜江戸時代の丹波焼や、現代作家の最新作が展示されており、隣接する伝習会館には、伝統工芸士作品展示室やアートギャラリーが備わっています。
丹波には、現存する最古の窯が残されており、今も見ることができます。
明治28年に造られ、長さ47メートルある登り窯は、陶の郷から歩いて5分程度の場所にあります。
可愛らしい手描きイラストで、分かりやすく役割が解説されているので、ここで学んでから登り窯を見に行くのがおすすめです。
丹波焼窯元51軒が勢揃い!「窯元横丁」
陶の郷の周りには、たくさんの窯元が軒を連ねています。
そのほとんどは歩いて行けますが、どの窯元に行ったらよいか分からない!
そんな方にぴったりなのがこの「窯元横丁」
51軒の窯元の作品を、ワンフロアで見て・触って・買える施設です。
小さいながらにひとつひとつブースがあり、窯元名も分かりやすく明記されています。
これならどの窯元の作品か、すぐに分かりますね!
作品によっては料理を乗せた写真も一緒に展示。
食卓に並ぶイメージも湧きやすく、ありがたいです。
【吟兵ヱ窯】左:2200円 右:2600円 (※産地価格)
こんなアイデア商品も。
ただのジュースを入れるだけでも趣がありますね。
【丹山窯】1000円 (※産地価格)
春らしい鮮やかな色合いのカップ&ソーサー。
ソーサーの曲線が美しいです。
【末晴窯】10800円 (※産地価格)
長方形のお皿はお寿司や焼き魚、和菓子をのせたい一枚。
源右衛門窯のうつわはネットショップでも完売ばかりの人気作品。
私も窯元横丁で見てから直接窯元にお邪魔して購入しました。
【源右衛門窯】各2916円 (※産地価格)
少し大ぶりな茶わんは卵かけごはんにぴったり。
丹文窯は鮮やかな色使いで、ほかの窯元にはない個性的なうつわを多く取りそろえています。
【丹文窯】各2500円 (※産地価格)
最後にご紹介するのが英一窯。
なかでも重厚感のあるプレートは、東京のセレクトショップでは予約待ちの人気商品。
私も小さいサイズは持っていましたが、今回実際に見て釉薬のかかり具合が気に入り、Mサイズを購入しました。
【英一窯】Sサイズ1500円 Mサイズ2000円 (※産地価格)
帰宅した夜、ソースを和えるだけのパスタを作ったのですが、手抜き料理でも写真が映え、購入してよかったと心から思いました。
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窯元横丁内に2017年9月リニューアルされたイベントコーナーでは、4月7日まで「少しリッチな丹波焼はいかかですか?」をテーマに、贈り物や自分へのご褒美にぴったりな作品を多数展示中です。
職人さんの心がこもった作品は、贈る方も貰う方も嬉しくなりますね。
旅の思い出に陶芸体験をするもよし、丹波焼への理解を深めるもよし、好みのうつわを求めて窯元めぐりをするもよし。
のどかな里山の中で、丹波焼を楽しむ旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。
立杭陶の郷:https://tanbayaki.com/
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。