11月に入り本格的に衣替えが必要な季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回もサイト「漢方デスク」(http://www.kampodesk.com)に読者の方から寄せられる漢方相談の内容をご紹介し、症状や悩みにどのように対応するのかお伝えしていきたいと思います。
相談内容:イライラに効く漢方薬は?
「イライラします。本当にイライラして何か事件でも起こしそうで怖いです。
病院で半夏厚朴湯を処方されています。喉のつかえはとれましたが、気分の落ち込みがひどく、イライラは治まりません。
最近は冷えがひどくトイレに10分置きに行ったりします。のぼせたり冷えたりの繰り返しで疲れます。もともとお腹がグルグル鳴りやすく、おなかがいつも張ります。ゲップやガスも多いです。加味逍遥散を服用するとさらにお腹が張って服用できません。柴胡加竜骨牡蠣湯を服用すると落ち込みはなくなる気がしますが発赤が出てかゆいです。
私に合う漢方薬は何でしょうか? 教えてください。宜しくお願いします」
(質問者:40代 女性)
これに対して、慶應義塾大学医学部の渡辺賢治先生の回答です。
「お書きいただいた症状からは、確かに加味逍遥散(かみしょうようさん)や柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は十分に考えられる処方です。イライラが強いということに対しては、似たような処方ですが抑肝散(よくかんさん)や抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)も代表的な処方です。今までのお薬を飲んだ体の反応を含め、症状を一番よく分かっていらっしゃる今の主治医の先生に改めてよく相談なさってみてはいかがでしょうか」
抑肝散(よくかんさん)とはどんなお薬でしょうか?
「神経質でイライラしやすく、いわゆる癇(カン)が強い人に使われる処方です。元々は子供の夜泣きやひきつけに用いられたのですが、日本ではいろいろな神経症状に昔から使用されてきました。
抑肝散加陳皮半夏は抑肝散に陳皮と半夏という生薬を加えた処方で、嘔吐などが見られる場合にこちらの漢方薬を処方します」