更年期の変化が体に影響しやすい30〜50代の女性は「最近、おなかがゆるい……」「食後すぐにトイレに行きたくなる」などの悩みを抱えることが多くなります。

じつは「下痢」もよくある更年期症状のひとつです。

今回は更年期に起こる下痢について、あんしん漢方所属の薬剤師の碇純子さんにうかがいました。

更年期の下痢の原因

更年期に下痢が起こりやすくなる背景には、女性ホルモンの変化と自律神経の乱れが大きく関わっています。女性ホルモンの分泌は、自律神経をコントロールする働きも担っている脳の視床下部という部分でコントロールされています。

更年期になると、視床下部の指令通りに女性ホルモンを分泌することが難しくなり、これにより視床下部が混乱し、自律神経の乱れが引き起こされるのです。

自律神経は腸の蠕動運動や胃腸の消化吸収などの機能をコントロールしているため、乱れると腸の動きにも影響し、下痢につながりやすくなります。

また、ストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れも自律神経のバランスを崩す要因です。更年期は仕事・家庭・体調の変化が重なる時期でもあり、心身への負荷が腸に影響し、下痢になりやすくなるのです。

さらに、女性ホルモンのプロゲステロンの減少も関係します。プロゲステロンは腸の動きを落ち着かせる作用がありますが、更年期で分泌量が減ることで、胃腸が普段より活発になり、軟便や下痢を起こしやすくなります。

更年期の下痢を緩和するセルフケア

更年期の下痢を緩和するには、自律神経を整えることが大切です。今日から取り入れやすい対策をご紹介します。

1.生活リズムを整える

生活リズムを一定にし、体内時計を整えましょう。朝は同じ時間に起き、食事のタイミングもできるだけ毎日そろえます。朝起きた際に日光を浴びると、体内時計がリセットされます。

また、睡眠不足は自律神経の乱れに直結するため、十分な睡眠時間を確保し体をしっかりと休めることも大切です。寝る前はスマートフォンの使用を控え、部屋の照明を落としてリラックスできる環境を整えることで、寝つきをよくする効果が期待できます。

2.体を内側から温める

冷たいものをよく摂ると内臓が冷えて胃腸の不調につながりやすくなります。そのため、できるだけ温かい飲み物や食事などを摂り、体を内側から温めることを意識しましょう。

温かいスープやお味噌汁、胃を刺激しにくい白湯などをこまめに飲むと、お腹がゆっくり温まり調子が整いやすくなります。また、カフェインやアルコールは利尿作用で体を冷やしやすいため、調子が悪いときは控えるのがおすすめです。

3.リラックスタイムを設ける

ストレスがたまっていると自律神経が乱れて、下痢が続きやすくなります。入浴で体を温める、好きな香りのアロマを焚く、ゆっくり深呼吸するなど、短い時間でもご自身なりのリラックスタイムを設けてストレスを解消しましょう。

とくに、呼吸は自律神経と深く関係しています。おなかから息を吸い、ゆっくりと吐き出す腹式呼吸を行うと、心身をリラックスさせて自律神経を整える効果が期待できます。

4.漢方薬を活用する

下痢の根本から改善したいなら漢方薬の活用もおすすめです。漢方薬は植物や鉱物などの自然由来の生薬でできており、西洋薬よりも副作用が少ないとされています。また、不調の根本原因にアプローチすることで、繰り返し起こる下痢の改善や、下痢をしにくい体作りが期待できます。

下痢には「胃腸の機能を高める」「水分代謝を整える」「炎症を鎮める」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

【更年期の下痢が気になる人におすすめの漢方薬】

・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
胃腸を温めて蠕動運動を促すとともに、エネルギーの流れを整えて炎症を鎮め、胃腸の不調や下痢、ストレスによる胃痛などを改善する漢方薬です。

・五苓散(ごれいさん)
水分代謝の異常を調整し、のどの渇きやめまい、吐き気、頭痛、下痢などの症状を改善する漢方薬です。

ただし、漢方薬はご自身の体質や症状に合ったものでないと、効果が出ないだけでなく、思わぬ副作用が起こることもあります。服用する際には、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。

【専門家による体質チェックもできる「あんしん漢方」】
漢方薬をセルフケアに取り入れるなら、漢方薬の専門家にスマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスの利用もおすすめです。一般的な漢方薬局よりも手頃な価格で自宅まで郵送してくれるため、手軽なセルフケアのひとつとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0285&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=251213

更年期のおなかの不調と上手につき合うために

更年期の下痢は、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなど複数の要因が重なって起こることがあります。セルフケアで自律神経を整えたり、漢方で体質改善したりして下痢を起こしにくい体を作りましょう。

この記事の監修者

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0285&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=251213

 

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