マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の用語や問題を解説するシリーズ。今回は、評価とタイムマネジメントについて考察します。

はじめに

常に忙しくしているにもかかわらず、なぜか評価されない――その原因の一つは、「目指すべきゴールが、上司が求めているゴールと乖離していること」が挙げられます。時間は有限なリソースです。その貴重なリソースを「自分の達成感」や「目の前の安心感」ではなく、「会社のゴール達成」に正しく投資することが最も重要です。

ゴールが明確になっているか?

人は、上司から設定されたゴール(≒目標)が曖昧だと、「迷う」「悩む」状態のまま集中力が阻害されて行動の着手が遅れる上、「自己解釈」でゴールを自ら設定し、そこに向かって走り出す。このような事象が生じることがあります。

着手が遅れ、上司が求めるゴールとは異なるゴールを目指すことになりますので、時間をかけたにもかかわらず、評価が得られない状況に陥りやすいということです。このため、部下の集中力を高めて仕事の“着手スピード”と“質”を上げさせるべく、ゴールを明確に設定することが上司側に求められる重要な役割です。

しかしながら、上司も人間です。部下に設定するゴール(KGI=重要目標達成指標だけでなく、KPI=重要業績評価指標を含む)を100%明確にすることが難しいというのもまた事実です。

ゴールが曖昧なまま仕事を進めることの弊害

目指すべきゴールが曖昧でも、人によっては迷いや悩みが生じることなく、即座に着手することもあるかと思いますが、そこには必ず「自己解釈」の工程が行われます。そして、その「自己解釈」はえてして自分にとって都合の良い考え方に傾倒しやすく、上司が思い描いているであろうゴール(多くの場合、厳しいハードル)から遠ざかることが少なくありません。

その場合、「ゼロベースに戻ってのやり直し」を命じられることすらあり、そのときに部下の心に沸くのは、「だったら、もっとハッキリとゴールを示してくれよ」という不平不満の感情です。この感情が「ゼロベースに戻ってのやり直し」の着手スピードを遅らせることになり、総じてゴールに到達するまでの時間がかかる(期限内にゴールに到達できない)状態に陥るため、高い評価を得ることが難しくなるわけです。

ゴールが曖昧と感じたら、部下側から確認することが肝要

このため、上司のゴール設定が曖昧だと感じたら(あるいは、それに起因して自己解釈しようとしている自分に気付いたなら)、上司の指示を明確な内容に変換した上で、「ご指示いただいたタスクのゴールはこれで合っておりますでしょうか?」と確認しに行くことが肝要です。そして、上司が思い描いているゴールが自分にとっても明確になったなら、上述したようなロスタイムが生じる可能性が皆無に近くなるため、仕事の進め方に余計な恐怖を感じることなく、ゴールの達成に向けて没頭するようになります。

そのような状態になると、「期限内にゴールに到達する」さらには、「達成率がより大きくなる」といった結果に至りやすく、高い評価を獲得することに繋げられます。

ゴール設定だけでなく、仕事の進め方を明確化する方法

経験が乏しい領域のタスクが割り当てられた場合、ゴール(最終ゴールであるKGIや中間ゴールとしてのKPI)を明確にするだけでなく、進め方(プロセス)も明確にすることが肝要です。その際、プロセスを箇条書きにして上司に確認しても、部分的にしか回答が得られず、再度確認を入れる……この繰り返しが発生し、“着手を開始できたのがタスクを割り当てられてから半日経過後”となるようなケースもあるかと思います。

こうした事象を回避するためには、プロセスを箇条書きにして確認するのではなく、すべて繋げてストーリーにして確認することが有効です。

例えば、箇条書きにすると、
(1)見積りを依頼するのは株式会社〇〇で良いでしょうか?
(2)見積書は明日17:00までに課長にご報告すれば良いでしょうか?
(3)報告後、承認をいただいてから提案書の作成に入りますが、提出は来週の月曜日17:00までで良いでしょうか?

上記のような確認の仕方となりますが、上司からの回答が(1)(2)だけで(3)が未回答といったことが生じると、「(3)についてはいかがでしょうか?」と追加の確認が必要となり、(1)(2)(3)が揃うまでに思いのほか時間がかかることがあります。

同じ確認事項をストーリーにすると、
「見積りを株式会社〇〇に依頼し、受領した見積書を明日17:00までに課長に報告します。それに対する承認をいただいてから提案書の作成に着手し、来週の月曜日17:00迄に提出させていただく。このような進め方を認識しておりますが、この認識で良いでしょうか?」
といった確認の仕方になります。

これであれば、一つでもエラーがあれば上司承認が得られず、何がダメなのかが明確になりますし、エラーが一つもなければ1回の上司承認で着手に移行できます。

部下にとって確認しやすい上司でいることこそが基本

「俺が曖昧な指示を出しても、行動量でカバーする奴が俺は好きだ」
「そんなことまで聞かないと分からないの?」

部下にとって最大の環境である上司がこのような思考・言動で部下に接していると、部下はゴールや進め方を明確にすることを躊躇するようになり、曖昧なまま自己解釈に基づいて仕事を開始した挙句、やり直しによるロスタイムが膨らんで帰る時間も遅くなる……このような事態に陥りやすくなります。

大事なことは、部下側が自身の責任を果たすためにゴールや進め方を明確にする行動を取ることですが、そのために上司側の思考・言動が最も重要なインフラになるということを上司・部下ともに認識することが肝要です。

もし、上司が上記のような言葉を発する組織であれば、まずは働く環境を変えることを吟味することが部下にとって最も優先順位の高いタスクになるのかもしれません。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2026年
1月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

市毛良枝『百歳の景色見たいと母は言い』

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店