歴史あるキャンパスには、大人が興味を惹かれる施設や場所が多数ある。医学史、自然誌、演劇、文学から仏教美術まで。大人の好奇心が大満足!

展示物に手を触れないでください──とは、博物館などでよく見る掲示だ。だが、南山大学人類学博物館の展示物は、自由に触ることができる。上や下の写真のように展示台から外して手に取ってもいい。手触りや重量感までしっかり伝わってくる。展示物のほとんどが“本物”という。

草創期から人類学に注力
南山大学は昭和7年(1932)に設立された南山中学校に端を発するカトリック系の大学である。昭和24 年(1949)、南山大学の開学とともに、人類学民族学研究所が設置されており、草創期から人類学は大学を特徴づける存在だった。その後、戦前から蒐集された考古資料や民族誌資料を基に人類学博物館が開館、2013年にリニューアルオープンした。ここにはラテンアメリカやアジア、オセアニアの民族誌資料、ヨーロッパを中心とする旧石器の考古学資料から東海地方を中心とする日本の先史考古学資料、さらに昭和時代の生活史の資料まで収蔵、展示されている。
展示品に触れるときには腕時計や指輪などを外し、細心の注意を払う必要がある。緊張感とともに人類史の一端に触れ、好奇心を満たすことのできる施設である。
南山大学人類学博物館

愛知県名古屋市昭和区山里町18
電話:052・832・3147
開館時間:10時〜16時30分
休館日:日曜、月曜、大学の定める休日、入試期間
入館料:無料
交通:地下鉄名城線八事日赤駅より徒歩約8分

