三菱一号館美術館は2010年4月の開館以降、40本の企画展を開催してきました。

2023年4月から設備メンテナンスのために長期休館していましたが、2024年11月23日に再開館の運びとなりました。

再開館にあたり、これまでの活動を踏まえ、東京・丸の内のランドマークとして、人々が集い、語り合い、新たな発見があるような魅力ある展覧会を継続して開催するとのことです。

再開館の企画展は「再開館記念 「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」。本展は、現代フランスを代表するアーティスト、ソフィ・カル氏を招聘して行います。(11月23日~2025年1月26日)

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《エルドラド、アリスティド・ブリュアン》
1892年 リトグラフ/紙 三菱一号館美術館蔵

本展の見どころを、展覧会広報事務局にうかがいました。

「本展では、三菱一号館美術館のコレクション及び展覧会活動の中核をなす、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)の作品を改めて展示し、そこにソフィ・カル(1953-)を招聘して協働することで、同館の美術館活動に新たな視点を取り込み、今後の活動につなげていくことを目指しています。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ロイ・フラー嬢》
1893年 リトグラフ/紙 フランス国立図書館蔵
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《メイ・ミルトン》
1895年 リトグラフ/紙 三菱一号館美術館蔵

ソフィ・カル氏は、長年にわたり「喪失」や「不在」について考察をめぐらせていることから、今回の協働にあたり、「不在」という主題を提案されました。

一方、ロートレックは、「不在」と表裏一体の関係にある「存在」について興味深い言葉を残しています。

ソフィ・カル氏ポートレート Sophie Calle Photograp hy:Yves Géant

「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない」

この言葉に象徴されるように、ロートレックは生涯にわたって人間を凝視し、その心理にまで踏み込んで、「存在」それ自体に迫る作品を描き続けました。

ロートレック自身も、彼が描いた人物も、すでに「不在」となり、今では作品のみが「存在」しています。ソフィ・カル氏から投げかけられた「不在」という主題を通して、当事者が関わることができない展覧会や美術館活動の「存在」を、改めて考えたいと思います」

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ジャヌ・アヴリル(ジャルダン・ド・パリ)》
1893年 リトグラフ/紙 三菱一号館美術館蔵

ポスターのみでなく挿絵、多色のみでなく単色、などなどロートレックの作品を多様に鑑賞できる展覧会です。ぜひ会場でお楽しみください。

【開催要項】
再開館記念 「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル
会期:2024年11月23日(土)~2025年1月26日(日)
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://mimt.jp/ex/ls2024/
開館時間:10時~18時、金曜日と会期最終週平日及び第2水曜日は~20時
     入館は各閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただしトークフリーデーの11月25日と12月30日、1月13日、1月20日は開館)、12月31日(火)、1月1日(水・祝)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2024年
12月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

「特製サライのおせち三段重」予約開始!

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店