ひとくちに結婚式といってもさまざまな形式があり、その中に「教会式」と「人前式」というものが存在します。この2つの式の違いを具体的にイメージできる方は、少数かもしれません。特に、人前式はチャペルで行なうこともあるので、なおさら「教会式とどう違うのか?」と思う方は多いのではないでしょうか。

結婚式の形式を決める際、雰囲気や見た目も大切ですが、ゲストの顔ぶれや両家の考えなど、考慮するポイントが複数存在します。親がそれぞれの式の進行や内容を理解しておくことで、スムーズに対応できるかもしれません。

本記事では、「教会式」と「人前式」の詳細や式の形式を決める際のポイントをご紹介します。

目次
教会式と人前式の違いとは?
挙式形式を決めるポイント
近年は「人前式」が増加傾向に
最後に

教会式と人前式の違いとは?

日本で行なわれている一般的な結婚式のスタイルは、大きく分けると4種類存在します。

1:教会式
2:人前式
3:神前式
4:仏前式

この中でも、特に人気が高いのは「教会式」で全体の約5割、それに続いて「人前式」が約3割を占めているのが現状です。(参考:ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ【首都圏】

ここでは、「教会式」と「人前式」についてそれぞれご紹介します。

教会式

教会式は、教会や結婚式場のチャペルなどで行ない、キリスト教の神に結婚の誓いをたてるものです。新郎新婦がキリスト教徒でなくても、問題ありません。

日本における一般的な教会式には、「カトリック」と「プロテスタント」の2種類があります。結婚式場やホテルでは、プロテスタント挙式が多く、カトリック教会では信者のみ受け入れ可能なケースが多いようです。教会によっては、事前に新郎新婦の講習が必須なところもあります。

人前式

人前式は、神ではなくゲストが結婚の証人となります。指名したゲストから誓いの言葉をいただいたり、ゲストを巻き込んでのアットホームな演出が魅力の結婚式です。

宗教色がないのも人前式の特徴です。定番の結婚式の流れに縛られる必要がないので、新郎新婦の希望する演出を自由に取り入れることが可能になります。

結婚式場のチャペルやガーデンで行なわれることが多い人前式ですが、公園や船上など、新郎新婦の思い入れのある場所で挙式する方もいらっしゃいます。

挙式形式を決めるポイント

中には、親が未経験の形式を子どもたちが希望するケースもあるでしょう。もしくは、親が希望する挙式形式があるかもしれません。しかし、親の考えを一方的に押し付けるのは禁物です。親子の話し合いをスムーズにするために、親も結婚式の形式を決める際の手順を把握しておきましょう。

ここでは、結婚式の形式を決める際のポイントをご紹介します。

新郎新婦のイメージを確立する

式の形式を決める前に、新郎新婦の結婚式に対するイメージをはっきりさせましょう。例えば「厳かな雰囲気の挙式にしたい」のなら教会式になりますし、「趣味のキャンプ場で結婚式を挙げたい」という希望があれば、人前式になります。

結婚式を挙げることが決まった段階で、会場や衣装、結婚式の雰囲気など、何を重視するのか、結婚式のイメージを確立させます。そうすることで優先すべきものが明確化し、ふさわしい挙式スタイルが見つかるでしょう。

中には、「結婚式準備を進めてから決めていけばいい」と考える方もいらっしゃいます。しかし、その場合、プランナーの誘導に流されるまま進み、後悔することがあるかもしれません。後悔しない結婚式を挙げるためにも、イメージがはっきりしないまま準備を進めていくのは、避けたいものです。

両家の親の意向を確認する

家によって「結婚式は全て子どもたちに任せる」という家庭もあれば、「新郎の地元神社で神前式にしてほしい」など、親の意向が強い家庭もあるかもしれません。

結婚式の形式を決める際、基本的には新郎新婦の考えを尊重したいものです。しかし、式のスタイルは、宗教や格式が関係することもあり、新郎新婦に丸投げするには少々不安が残るかもしれません。可能であれば、新郎新婦だけでなく、両家の親の意向を確認しましょう。

結婚式準備期間中の両家や親子間のトラブルは、後味の悪いもの。結婚式が嫌な思い出とならないためにも、両家の歩み寄る姿勢が大切です。

近年は「人前式」が増加傾向に

根強い人気の結婚式は教会式ですが、年々人前式を選ぶ夫婦も増えています。2023年に人前式を選んだ夫婦は、全国推定値では35.4%、首都圏では27.7%でした。2017年は首都圏で22.7%だったことから、徐々に人前式を選ぶ方は、増加傾向にあると見受けられます。(参考:ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ【首都圏】

ここでは、人前式が増加している背景と注意点をご紹介します。

背景1:費用が抑えられる

人前式は、教会式での聖歌隊や牧師、神前式での巫女などの費用がかかりません。会場にもよりますが、一般的に人前式は他の形式と比較すると、費用が抑えられるケースが多いようです。

人前式で浮いたお金をゲストへのおもてなしに回せるので、少しでも挙式にかかる費用を抑えたい方におすすめのスタイルだといえるでしょう。

背景2:結婚式はお披露目より感謝を伝える場に

結婚式に求めるものは、人によってさまざまです。結婚式は「新郎新婦をお披露目する場」というイメージが強かった時代もありました。しかし、最近では「ゲストに感謝を伝え、皆で楽しめる会にしたい」という趣旨の方が増えている印象です。

式の規模や形式によっては、結婚式当日、新郎新婦はゆっくりゲストと会話する時間が持てないこともあります。ゲストによっては「新郎新婦とまともに会話できなかった……」なんてこともあるかもしれません。

感謝を伝える手段はさまざまですが、新郎新婦とゲストが会話し、直接お礼を伝えるだけでも、十分気持ちは伝わるのではないでしょうか? ゲストとの関わりが楽しめるのも人前式の魅力といえます。 

人前式の注意点

結婚式のゲストの中に、格式を重んじる方や年配の親族がいらっしゃる場合は、注意が必要です。理由としては、格にこだわる方や年配の方にとっては、人前式は未経験のことが多く、その自由さに違和感を覚える可能性があるからです。

そのようなゲストには、親から事前に「人前式であること」、「人前式の流れや内容」を大まかに伝えておくといいでしょう。

最後に

教会式と人前式、いずれの挙式スタイルであっても、親が登場する場面はあります。両家が納得した上で、新しい門出にふさわしい結婚式のスタイルが見つかるといいですね。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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