30~40代のプレ更年期や、40~50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。なかでも多くの女性が密かに悩んでいるのは、デリケートゾーンの痛みやかゆみなどの違和感です。
実は、その不調には漢方薬が役立つことをご存知でしたか?
私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい! 根本解消する方法が知りたい!
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
今回は「デリケートゾーンの違和感」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇純子さんに教えてもらいました。
デリケートゾーン(陰部)がヒリヒリしてかゆい…
舞子さん 46歳女性の方からご質問を頂きました。
40代後半になってから、陰部に違和感が複数あって本当に困っています。最初はかゆみが強く出たので、不衛生なのかと思いよく洗うようにしていました。しかし、清潔にしていても症状はひどくなる気がするんです。何もしていなくてもヒリヒリとした痛みを感じるようになりました。常に陰部に不快感がある状態なので、夫との夜の夫婦生活もありません。先日夫の上着から風俗店のレシートを発見し、大喧嘩に発展……「私のせいかな?」という気持ちもありますが、どうにもできません。陰部の悩みはどのように対処したらいいですか?
舞子さん、ご質問ありがとうございます。デリケートゾーンの違和感の症状は、他人にも相談しづらく、つらいですよね。舞子さんが気になさっている症状も、原因をしっかり把握して対処していけば大丈夫ですよ。
まずは、デリケートゾーンの違和感の原因について、見ていきましょう。
デリケートゾーンの違和感はホルモンバランスの乱れが原因?
陰部のかゆみ、ヒリヒリした痛みなどの原因のひとつに、女性ホルモンの乱れがあります。30~40代のプレ更年期や、40~50代の更年期の女性は、女性ホルモンの分泌が不安定になりがちです。
女性ホルモンの分泌が減少すると、コラーゲンやヒアルロン酸など、肌の潤いや弾力に関わっている成分も減ってしまい、乾燥しやすくなります。
また、膣内を弱酸性に保っているグリコーゲンという物質も減少するため、細菌などに感染しやすくなり、かゆみやかぶれの原因に。
東洋医学的視点では、水分の循環の滞りや、血の巡りが悪く十分に栄養が届いていないなどの原因が考えられます。
更年期のデリケートゾーンの違和感を治す方法
続いては、更年期のデリケートゾーンの違和感に対処する3つの方法を見ていきましょう。
1.ホルモン補充療法
不足したエストロゲン(女性ホルモン)を投与するホルモン補充療法(HRT)は、閉経後の更年期症状に対する第一選択と考えられています。しかし、ホルモン剤の長期投与で乳がんの発症リスクを増加させる可能性があるといわれており、議論の対象になっています(※1)。
長期治療のリスクが気になる場合は、ほかの方法を選ぶのもおすすめです。
2.プラセンタ注射
更年期の不調には、プラセンタ注射という選択肢もあります。プラセンタとは、ヒトの胎盤から精製された胎盤エキスのことで、アミノ酸やヒアルロン酸、コラーゲン、ビタミンなど栄養素が豊富です。
40歳くらいからプラセンタを注射すると、更年期症状が比較的軽い症状で治まる場合があります。医療機関でのみ受けられる注射ですが、40歳から59歳の女性は保険適用が可能で、負担が少なく済みます。
3.漢方薬
「病院に行く時間がない」「ホルモン補充療法のリスクが気になる」といった場合におすすめなのが漢方薬です。更年期症状の治療では、漢方薬の使用も標準治療のひとつになっています。
漢方薬にはデリケートゾーンのかゆみに効果が認められているものがあり、実際に婦人科や皮膚科でも使われています。
陰部のかゆみやかぶれには、「ホルモンバランスの乱れを整える」「泌尿・生殖器の炎症を抑え、かゆみを軽減する」「血流をよくして栄養をいきわたらせ、皮膚のターンオーバーを促進させる」「水分の循環をよくして老廃物を排出する」といった作用を持つ漢方薬を選びましょう。
<デリケートゾーンの違和感におすすめの漢方薬>
・当帰飲子(とうきいんし):血流をよくして皮膚に栄養と潤いを与え、皮膚の乾燥を緩和します。かゆみや炎症の改善を期待できます。
・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):生殖器や泌尿器の余分な熱を冷まし、炎症を鎮め、おりものや排尿痛などを和らげる漢方薬です。
漢方薬を服用する際は、体質との相性を意識しましょう。同じ症状でも体質によって適切な漢方薬は異なります。医師や薬剤師などの専門家にお任せするのがいちばんです。
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放置せずにまずは適切な治療を
デリケートゾーンの違和感は、プレ更年期・更年期の代表的な症状のひとつです。女性ホルモンバランスが乱れることによって起こることがあります。適切な治療を行うことで症状緩和を期待できます。生活習慣もきちんと整え、健やかな毎日を送りましょう。
【参考文献】
(※1)「CQ2 閉経後女性ホルモン補充療法(HRT)は乳癌発症リスクを増加させるか?疫学・予防」乳癌診療ガイドライン2022年版 https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/e_index/cq2/
<この記事を書いた人>
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0193