ライターI(以下I):大河ドラマ『どうする家康』のすべての撮影が終了したそうです。撮影開始から1年5か月。長い長い「家康との旅」を終えた松本潤さんからコメントが届きました。
最後のカットを撮る前、一度スタジオを出ると、クランクアップを祝うためたくさんの共演者の方が集まってくださっていました。その顔を見たら感動して集中が切れそうになったのですが、ここまでみんなで作ってきた作品の有終の美を飾るため、気持ちを込めながら最後の撮影に臨みました。クランクアップの瞬間に湧き上がったのは、ただただ感謝の気持ちです。この作品のテーマである「チームプレイ」を長い時間かけて築き、チーム全員でひとつの作品を創ってきたんだと改めて感じ、皆さんに心からの感謝を伝えたいと思いました。
編集者A(以下A):当欄では幾度も書いてきましたが、松本潤さんは、岡崎の大樹寺、長篠・設楽原古戦場など多くの関連史跡を実際に訪ねていました。
I:家康が今も眠る久能山東照宮には何度もお参りしていたようですね。どこに行っても勉強熱心ということがすぐにわかるといわれるほど、熱く家康に取り組んで来たことも当欄では紹介してきました。その『どうする家康』があと2か月ほどで終わってしまうなんて、やっぱり寂しいですね。
A:最後の撮影日にたくさんの共演者が集まってくれたというのも感慨深いですね。その場面、見学したかったなあ。
I:チームといえば徳川家臣団ですが、家臣団の絆について松本さんが語ってくれました。
撮影の前半は「どういうチームの形にすべきか」をすごく考えましたし、引いた目線で現場を見ていました。でも後半、瀬名を失い、信長が亡くなるあたりから新たなフェーズに入って、自分の芝居や、古沢良太さんの脚本と向き合うことによりフォーカスすることができたと思います。
これは1年以上 ひとつの役をやり続けなければできないこと。チームに対して、家康が成長して変わっていくさまを見せたかったし、どれだけ新鮮で面白い表現にチャレンジできるか、勝負したかった。どこまでできたかはわかりませんが、古沢さんの脚本とスタッフの皆さんの力で、今までとはまた違った家康像ができ上がったんじゃないかなと思います。
ここまで見てくださった方々、本当にありがとうございます。ここからよりスピード感が上がり、よりドラマチックになり、本当に面白い終盤戦になるはずです。ぜひ最後まで楽しんでいただけたらと、切に願います。
A:今回の『どうする家康』は全48回になります。1年間にわたって「完走」するのは視聴者にとっても長い道のりです。それだけにクランクアップの報を聞くと、「もう終わっちゃうのか」という思いにかられます。松本さんは「本当に面白い終盤戦になるはず」と語ってくれました。
I:楽しみでしょうがないですね。
A:松本さんは11月10日(金)の「あさイチ」の「プレミアムトーク」に生出演するそうです。大河ドラマファンに対して、どんな表情で何を語ってくれるのか。こちらも楽しみですね。
●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。
●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり