旨みをたっぷり畜えたりんご煮を歯ごたえのよいパイ生地で包んだアップルパイ。名店が腕によりをかけ、焼き上げた逸品は、パーティなどの特別な場面にも相応しい。取り寄せておいしさあふれる至福の時間を過ごしたい。
北東北有数のりんごの産地で地元農家がつくる家庭の味
秋田県『レディースファーム』
鹿角りんごパイ 極
秋田県の北東端部に位置する鹿角市は昼夜の寒暖の差が大きいため、りんごの糖度が高まり、栽培に適した気候といわれる。明治23年(1890)よりりんご栽培の歴史を持つ鹿角産のふじを、ホールあたり3玉分も使用しているのが「鹿角りんごパイ 極(きわみ)」である。「地元の農家の女性が生地から手づくりし、丁寧に焼き上げているため、アップルパイ本来の家庭的な味が楽しめると評判です」と、『レディースファーム』代表の米田敦子さんが話す。
厚めの生地の中には大きめに乱切りされたりんごが、隙間がないほどぎっしりと詰まっている。鹿角産のふじは身が締まった固めの食感が特徴で、シャキシャキした歯ごたえも楽しめる。洋酒とシナモンで風味付けをしているが、添加物は使用していない。
毎年秋に収穫されたりんごのみを使うため、生産数が限られている。注文の受付が始まるのは毎年10月ごろから。ホームページを確認し、問い合わせフォームから早めの予約をおすすめしたい。
取り寄せ案内
レディースファーム
秋田県鹿角市花輪新斗米55
オンライン注文:https://ladiesfarm-kazuno.jp/
電話注文:0186・25・2209
咲き誇る一輪の薔薇のよう。ハレの日に味わいたい逸品
長野県『アップル&ローゼス』
プリンセスのアップルパイ
パイの中央に、薄くスライスしたりんごでつくり上げた一輪の薔薇が咲く。その周りには、タルトの生地による花形のパートブリゼ(※サクッとした食感で、甘くないタルト生地のこと。)が散りばめられ、花畑を彷彿させるような佇まい。目でも楽しめるアップルパイだ。
「僕にとって、アップルパイは子どものころに母がつくってくれた思い出の味。思い入れがあり、創業当初はあえてアップルパイを販売せず、探求を重ね、満を持して送り出すことができました」と話すのは、『アップル&ローゼス』のオーナー・呉羽英樹さん(50歳)だ。
使用するりんごは安曇野の農家が生産したもので、時期に応じてもっとも甘みのある品種を用いている。りんごは皮ごとカットし、時間をかけて煮込み、しっとりした食感に仕上げる。ひと切れ口に含むと、パイ生地のサクッとした食感とりんごの甘酸っぱさがたまらない。“プリンセス”の名称に相応しい可憐さと、工芸品のような職人技と優美さを兼ね備えるアップルパイは、家族が集まる特別な場面にも最適だ。
取り寄せ案内
アップル&ローゼス
長野県安曇野市穂高有明8161-1
オンライン注文:https://apple-roses.shop-pro.jp/
電話注文:0263・31・0655
取材・文/山内貴範 撮影/寺澤太郎
※この記事は『サライ』本誌2023年11月号より転載しました。