取材・文/ふじのあやこ
家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。
ARINA株式会社が運営する幼児、小学生の親御さん向けの教育メディア「おうち教材の森」は、日本全国の中学生以下のお子さんをお持ちの親御さんを対象に「義親に言われて1番傷ついた一言は?」とアンケート調査を実施(調査方法:インターネットアンケート 調査期間:2023年1月17日)。1位は「息子(娘)がかわいそう」。回答には、『子育てをしながらパートで働いていましたが、正社員で働かないと収入が少なく、息子の給与をあてにしてたら、息子がかわいそうだからもっと働けと言われた』とのコメントがあった。
今回お話を伺った美和子さん(仮名・45歳)は26歳のときに4歳上の男性と結婚。結婚する前から、タオルやお皿には母親の趣味のもので揃えられ、相手の冷蔵庫には母親の手料理があった。【その1はコチラ】
義母からのお小遣いは学生時代からずっと
結婚後も2人は同じ仕事をしばらくは続けるも、夫は夕方から深夜まで働き、美和子さんは朝から夜まで働く生活と、すれ違いが続く。そのすれ違いを解消するために夫は転職。給料は大幅に減ってしまったが、それでも美和子さんはすれ違いがなくなったことのほうが嬉しかったという。
「夫が朝から夜までの仕事に転職して、給料がグッと減りました。元々多くなかったのに、同棲していたマンションから少し家賃がアップした新居に引っ越しをしていたこともあり、生活が苦しくなりました。お互い貯金もあまりなかったから、私は必死で働きました。生活が苦しいなら私が働けばいいと、そのときは思っていたんです」
しかし、美和子さんが妊娠したことで生活はより苦しくなる。そのときに夫の義母からのお小遣いが発覚した。
「妊娠が発覚しました。私はカフェの接客をしていたので立ちっぱなしで、妊婦には厳しい仕事だったし、アルバイトなので辞めるしかありませんでした。だからそのときに家のお金について夫婦で話し合って、お小遣いとかも減らしてもらいました。
使えるお金は減ったはずなのに、夫はゲーム機などの趣味をそのまま続けたんです。おかしいと思って財布を調べたら、実家に帰った後に財布のお金が増えていることに気づきました。問い詰めたら、義母からずっとお小遣いをもらっていることが発覚しました」
夫は「お小遣いは学生の頃からずっともらっているから、家のお金じゃなく自分のお金だ」と主張してきたという。
「夫は義母からのお小遣いをもらい続けているのが恥ずかしいことだから隠したのではなく、私にそのお金まで家計に回されるのが嫌で隠していたんです。こんなに親離れしていない人なんだって思って、ゾッとしましたね」
【家計が苦しいのは私のせい? 次ページに続きます】