家計が苦しいのは私のせい?
お小遣い問題はうやむやになったまま、美和子さんは無事出産。子どもが産まれたことで義両親との関係も以前よりは密になり、頻繁に家に遊びに来るように。その度に家は義母の手作りの総菜で溢れていった。
「義父は純粋に孫に会いたくて来ているようでしたが、義母は私たちの家をチェックするような感じでした。総菜はありがたかったですが、『お金がないみたいだから、ちゃんとしたものを食べさせてあげてないんじゃないかと思って』と、我が家のお金事情を知っているようでしたね」
その発言にカチンと来た美和子さんは義母から夫へのお小遣いを知ったことを伝えてしまう。しかし、義母からは「働きなさい」と注意を受けたという。
「義母が夫に渡していたお小遣いについて悪びれることはないとは思っていましたが、『あなたが働いていないからまだ続けなきゃいけないんでしょ。働きなさい』と言ってきたのにはびっくりしましたね。そのとき私はまだ1歳にも満たない子どもを抱えていました。甲斐性がないのはあんたの息子だよともう少しで言いそうになりましたよ」
子どもが少し大きくなったことで美和子さんはパート勤務を開始するが、それでもまだ給料が少ないことを義母から美和子さんが責められているという。
冒頭で紹介した「義親に言われて1番傷ついた一言」のアンケートの2位は「給料が少ない」。今は妻側にも経済力を求める義両親が増えているようだ。海外に大幅に遅れながらも日本もジェンダー平等への取り組みを続けている中、妻にも経済力を求める意見があってもいいのかもしれない。しかし、自分の息子を棚に上げての発言であれば、それはただの価値観の押しつけでしかないのだ。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。