取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った菜々子さん(仮名・47歳)は27歳のときに結婚して、現在は夫と子どもとの3人暮らしをしている。結婚生活での一番の悩みは義母。義母は買い物依存気味で義実家はもので溢れているという。

「義母は買い物が大好きで、捨てられない人なんです。義母は車で1時間ほどの距離で暮らしていて、そこまで頻繁なやりとりはないものの、家に遊びに行く度に新しいものが増えている状況です」

家族の中では「お姉ちゃんだから」と我慢が必要だった

菜々子さんは兵庫県出身で、両親と3歳下に妹のいる4人家族。菜々子さんの妹にはさまざまなアレルギーがあり、一番辛そうだったのはアトピー性皮膚炎。両親が気遣うのはいつも妹ばかりだったが、それを「仕方ない」と振り返る。

「母方の祖母がアトピー性皮膚炎で、母親と私は大丈夫だったんですが、従姉と妹の症状が重かったです。それに妹は卵アレルギーでもあって、家では卵料理は食べられませんでした。親からは『あの子(妹)が食べたがるから我慢して。お姉ちゃんでしょう』といつも言われていましたね。

でも、それも仕方ないとは思っています。プールの授業にも参加できず、保湿する軟膏とガーゼハンカチを手放せない妹を見ているとかわいそうでしたから。本当に最低ですけど、自分じゃなく良かったと思ったこともあります。その罪悪感から親が妹ばかり構うのは仕方ないという心境だったのかもしれません」

小さい頃も不仲ではなかったが、今は妹も結婚しており、お互い子持ちとなったことでより仲が良くなっているという。

「妹の症状は年齢とともに落ち着いてきているみたいです。結婚は私のほうが早かったのですが、子どもを産んだのは妹のほうが早くて、初めての育児について妹に相談するようになってから仲がより良くなりましたね。

子育ての愚痴って、たとえ友人でも結構気を遣うんですよ。本人から伝えられていないだけで不妊治療や2人目不妊などの悩みを抱えている場合もあるし、子育てのネガティブなことを言うと引かれることもある。でも、妹だったら気を遣わずに言い合えますからね」

【浪人も留年も咎めない、裕福な家の一人っ子と結婚。次ページに続きます】

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