日本のモダンデザインのパイオニアとして知られる杉浦非水(すぎうら・ひすい)。大正モダン、昭和レトロなどの最近注目されている言葉が具現されている、ポップでカラフルな非水のデザインは今も色あせることがありません。
いま改めて観てみたい杉浦非水の全貌が紹介される展覧会が開かれています。(2023年1月29日まで)
本展の見どころを、静岡市美術館の広報ご担当、岡田牧さんにうかがいました。
「杉浦非水は明治9(1876)年、愛媛県松山市生まれ。東京美術学校日本画科に学びましたが、同校教授の洋画家・黒田清輝がフランスから持ち帰ったアールヌーヴォーの図案にすっかり魅了され、図案家の道を志しました。明治30年代、まだ日本に洋風図案を手掛ける人はほとんどいなかった時代でした。
明治41年(1908)に三越呉服店に職を得ると、以降27年間にわたり同店のポスターやPR誌表紙などのデザインを一手に担うかたわら、三越のみならず広告やパッケージのデザイン、多くの本の装丁等を手がけ活躍しました。非水の作品はまさに日本のデザインの黎明期の歴史そのものともいえます。
本展は彼の故郷である愛媛県美術館の全面的な協力を得て、ポスター、図案集、装丁といった代表作から創作の原点となるスケッチや資料まで300点余りを紹介する静岡県内初の回顧展です。
レトロでモダンな非水デザインの世界をぜひお楽しみください」
非水の全仕事を辿ることができる展覧会です。会場に足をお運びください。
【開催要項】
杉浦非水 時代をひらくデザイン
会期:前期2022年11月19日(土)~12月18日(日)
後期2022年12月20日(火)~2023年1月29日(日)
前・後期で展示替えあり
会場:静岡市美術館
住所:静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3階
電話:054・273・1515
開館時間:10時から19時まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし1月9日は開館)、年末年始(12月28日~1月4日)、1月10日(火)
公式サイト:https://shizubi.jp
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝