取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
剛志さん(仮名・42歳)は28歳のときに2歳上の女性と8年の交際期間を経て結婚。8年の交際期間の中でケンカすることがあると、いつも剛志さんが折れることで仲直りをしていた。しかし、出産後の妻は口を一切聞かなくなった。
【~その1~はコチラ】
子育てをしない母親に子どもが懐かないのも当然。子どもに必要ないなら、離婚するだけ
子どもが3歳になるときには、妻は子育てはもちろん、家の家事をまったくせずに部屋に引きこもるように。何度か声をかけても返事はなし。その後、暴言がメールで届くようになった。
「最初の頃は部屋をノックして声をかけたり、もちろんしていました。でもドアを開けようとすると『開けるな』と罵声が飛んできた。それが何度か続くと情けないですけど、怖くなるんです。
次はドアを開けずに外から話しかけたりしました。でも、そうなると返事をしてくれない。無視されることに多少のダメージはありますが、罵倒よりはマシ。だから続けていたんですが、『気持ち悪いから話しかけてくるな』というメールが入ってくるようになりました……。そこから話しかけるのをやめて、子どもと2人暮らしのような生活がしばらく続きました」
子育てをしない妻に子どもも懐かない。「子どもに母親が必要じゃないなら、離婚したい」と、離婚は剛志さんから口にしたという。
「当時はデザインの仕事をしていて、小さい会社だから広告の窓口とか営業とかもしていたので仕事は忙しかったんです。でも子どもの保育園の送り迎えからすべてを自分でするようになっていたので、妻の育児放棄をきっかけに、フリーになりました。私が家で仕事をするようになると、反対に妻は外に働きに出るようになりました。妻も私と同じような仕事を最初はフリーでしていたんですが、正社員で働くようになったみたいです。
そうなると子どもと一緒に休んだ後に帰ってきて、私が子どもを送っていくときに家を出ていくような生活で、妻の存在は気配で感じるだけになっていました。子どもも妻の存在を意識しないようになり、私自身ももう話しかける気力はなかったので、『離婚してほしい』とメールを送りました」
【話し合えないままの離婚。自分の悪いところがわからない。次ページに続きます】