取材・文/ふじのあやこ

日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。

和香子さん(仮名・38歳)は高校生の頃から付き合っていた男性と22歳のときに結婚。結婚して程なく一女に恵まれるも産後太りをきっかけに夫婦の関係は罵り合いにまで発展し、子どもが4歳になる直前に離婚に至った。

【~その1~はコチラ

離婚後の関係は夫婦から子どもの父親へ。相手への執着がすーっと消えた

親権は和香子さんに。離婚の意味はわからないものの、子どもは帰って来ない父親を待ち続けてぐずりだすようになってしまう。月に2回の約束で会う予定だった日よりも早く「子どもに会いに来てほしい」と元夫に電話で伝えた。

「パパって言いながら泣く子どもを見て、本当に身勝手なこと(離婚)をしてしまったなって思いました。離婚したということはまだわからないものの、その存在がいなくなったということはわかるんですよね。子どもがいたから私たちは一緒に住んでいた家に残ったのですが、いつも帰ってくる時間よりもだいぶ前に泣き出してしまって……。なので、離婚してから初めての連絡は私から『会ってあげてほしい』でしたね」

そこから週に1、2度のペースで元夫は子どもに会いに来るように。一緒に住んでいたときのわだかまりは残りつつも、父親、母親というポジションに徹することで相手のことはまったく気にならなくなったそう。

「すべては子どものため、です。父親との仲を引き裂いてしまったのは私のせいでもあるので。

会うために頻繁に連絡も取っていたんですが、離婚後もスッキリとはいかなかった関係が少しずつ変わっていきました。元夫に対して、まったく執着しなくなったんです。もう私の夫じゃない、歩み寄る必要はないと思ったからでしょうか。最後はいがみ合って離婚した関係だから、離婚後に仲良くなれることなんて一生ないと思っていたのに、意外と早い段階で、高校時代の深い仲になる前の友人だった頃に戻ったような気持ちになりました」

【元夫からの復縁の提案は、愛情が理由ではなかった次ページに続きます】

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