取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
沙理さん(仮名・38歳)は学生時代から付き合っていた男性と別れるべきかこのまま付き合っていくべきか、結論を先送りにしている中、妊娠。2人は結婚することになるも、結婚したこと、子どもができたことも2人が歩み寄るきっかけにはならなかった。
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「子どもなんて欲しくなかった」家に戻って3か月で離婚
沙理さんは出産後も半年間はそのまま実家で過ごす。その間、夫が様子を見に来ることはなく、「実家から家に戻ることが怖かった」と沙理さんはいう。
「最初は実家には2か月ほどの滞在予定でした。生まれたときと退院のときに様子は見に来てくれたものの、そのまま実家に送り届けてくれて、それっきり。週末に『何か困っていることないか?』と連絡が来るくらいで、私からもそんなに話すこともなくて、会わない期間がどんどん長くなっていきました。
子どもが生まれる前後1年ぐらいも別々に暮らしていて、そうなると毎日顔を合わせるのが怖くなるんです。揉めそうだな、面倒くさいことになりそうだなって」
母親に促されて家に帰ると、子育てについて夫の他人事のような姿に揉めることが増えていき、決定打は「子どもなんて欲しくなかった」の一言。一緒に暮らして3か月で離婚に至る。
「子育てをお願いしても『どうしていいかわからない』『おまえのほうが慣れているんだから』と一切参加せずに、『自分のことは自分でできるから』と言って一緒の家にいるだけで別々に暮らしている感じでした。
そして、ケンカになったときに『子どもなんて欲しくなかった』のひと言です。『離婚したい』と伝えると『わかった』と言って相手は家を出ていきました」
離婚後に再び実家に戻った頃、たまたま連絡をくれたのが元同僚で、それが後の夫。離婚のことを伝えると親身になって話を聞いてくれた。
「そこから頻繁に連絡を取るようになって。会うまでには1年くらいはあったんですが、その間も定期的に連絡を取っていて、私の中ではどんどん存在が大きくなっていきました。私は実家で働いてもなくて、そんなに友人が多いタイプじゃなかったから、連絡を頻繁にくれる人はほぼ彼しかいませんでした」
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