取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
里香さん(仮名・40歳)は結婚式の集合写真に笑顔で写っていた社内の女性と元夫の不倫の事実を知り、結婚生活は1年半で破綻。不倫現場を目の当たりにしたことでフラッシュバックのような症状に悩み、離婚に至るまで元夫と顔を一切合わさないよう、お互いの両親が間に入っていたという。
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「あいつのせいで……」病院通いをすることで“普通”が遠くなった
離婚後は実家に戻り、家具は友人に譲ったりとすべて処分して、家の近所でアルバイトも始めた。新しい生活を始めようと体は動いていたものの、夜は眠れないことが続いて睡眠導入剤を処方されるように。病院通いという事実に心がさらに追いつめられていく。
「親はゆっくりしたらいいと言ってくれたんですけど、暇な時間があると考えてしまう気がして、すぐにアルバイトを探して、働き始めました。商業施設の中にある飲食店だったので忙しくて毎日へとへとだったんですけど、夜になっても眠れないんです。最初の頃はお酒を飲んで眠るようにしていたんですが、親がそれに気づいて病院に連れて行ってくれました。
睡眠導入剤を処方されて眠れるようにはなったんですけど、病院通いを始めたことで自分は悪いところがあるんだって、普通の生活ができないんだとより追いつめられるようになってしまって……。『あいつのせいで』という思いもずっと離れませんでした」
朝になると気分が優れないことが増えて、アルバイトに通えなくなってしまう。そんな中で、声をかけてくれたのが高校時代からの友人だったという。
「その子は仕事で東京で働いていたから実際に会う機会は少なかったものの、2~3日に一度はメールし合っていた親友のような存在でした。そんな彼女に『働けなくなった』と伝えたら、『東京に遊びにおいでよ』と誘ってくれたんです。家にいるだけだし、私も気晴らしになるかなって思って、2泊ぐらいの用意をして東京に行きました」
【「親は生きている間に頼れるだけ頼らないと損!」と父は笑いながら言った。次ページに続きます】