取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
彩乃さん(仮名・45歳)は学生時代から付き合っていた男性と26歳のときに入籍。嫉妬深いところから浮気を一切疑っていなかった結婚3年目に突入したばかりの頃、元夫は帰ってこなくなった。
【~その1~はコチラ】
怒る父親に頭を下げ続ける義両親。離婚は親同士の話し合いで決まった
最初は事故を疑い、その後判明していく、1か月前に決まっていた退職や、共通の預金から大金が引き下ろされていたことなどの事実を受け止めきれなかったという彩乃さん。義両親の協力もあり、10日後には滞在先を知ることができ、女と一緒だということがわかる。
「お酒が飲めないものの、付き合いで朝帰りをすることもあったから翌日の昼まで様子を見ました。その間、電話をいくらしても通じることはありませんでした。そのままお昼を過ぎて、夫のシフトを確認すると勤務日になっていたので勤め先に電話したんです。そしたら『先月いっぱいで辞めました』と。妻である私が知らないことに電話に出た社員の方はびっくりされていました。そこから親や友人に相談して、なくなっているものがないか探したら、キャリーケースや、銀行から3日に渡って50万円ずつの計150万円が引き出されていた事実を知ったのです。
元夫が会社に退職の意向を伝えたのはその1か月前。そんな前から計画していたことに言葉もありませんでした。冷静になれずに取り乱す私を見ていた母親が私を実家に連れていき、その数時間後には家族とともに義実家に行きました。そのときは義両親は驚いた様子で義両親からの電話もつながることはありませんでした。義両親から『連絡が取れました』と伝えられたのはその10日後でした」
相手に女がいることで彩乃さんの父親は激昂。平謝りする義両親と夫の姿をぼんやりと覚えているだけで、離婚の話は彩乃さんを置いてけぼりの状態で進んでいったという。
「離婚の話し合いのための家族総動員の場で、あの日以来、初めて夫を見ました。直視できなかったですね。離婚って当事者の話し合いで決まるものと思っていたのですが、親同士の話し合いで決まりました。その後の家のこともすべて親がやってくれました。30手前で何やってるんだって感じでしたが、当時は何も手につかなかったんです」
【「同じことを繰り返すかもしれない」という呪縛を取り払ってくれた現夫の一言。次ページに続きます】