最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもあります。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第88回は、「烏賊」をご紹介します。食用としても馴染み深い、あの海の生き物です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「烏賊」はなんと読む?
「烏賊」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「烏」の文字を使われた海の生き物とは……
正解は……
「いか」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「頭足類・十腕類の総称。10本の腕をもち、特に長い2本は捕食などに用いる」と説明されています。一般には「足」と呼ばれる10本の細長い腕を持つのが特徴的な生物です。また、敵に会うと墨を出して逃げる習性があります。
「烏賊」は、世界中で約450種類も存在していることが確認されています。日本でよく食べられているものとしては、ヤリイカ、スルメイカ、アオリイカ、コウイカが有名です。
「烏賊」の漢字の由来とは?
海生生物である「いか」が、なぜ「カラス(烏)のぞく(賊)」と書かれるのでしょうか?
考えられている理由の一つが、中国の伝説によるものです。イカが死んだふりをして水面に漂い、これを捕ろうと舞い降りてきたカラスを逆に捕まえて食べたという伝説により、「烏にとって賊のような生物」という意味で「烏賊」となったとされています。
「烏」の漢字が入る理由には、もう1つの説があります。それは「烏賊」が吐き出す墨の色の黒を、烏の羽の色の黒に見立てて「烏」の文字を当てはめているという説です。漢字表記は、烏のように黒い墨を吐いて逃亡する習性に由来しているとも考えられています。
「烏賊」の数え方
漢字の由来が特徴的な「烏賊」ですが、数え方が容姿次第で変化する面白い生物でもあります。
泳いでいる時や生きている時は「1匹」。そして、水揚げされ商品になった時には「1杯」。さらに、そこから干されて干物となり、するめになったら「1枚」、活け造りされて皿に盛られたときには「1盛」となります。
常に「一匹」と数えるのではなく、状態によって、その数え方を使い分けましょう。
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いかがでしたか? 今回の「烏賊」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? コウイカの旬は冬の終わりから春先の、3月から5月頃です。旬の食材として食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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