取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ

今回お話を伺った朱音さん(仮名・37歳)は28歳のときに結婚、現在は旦那さまと子どもとの3人で暮らしています。朱音さんは兵庫県出身で、両親と兄のいる4人家族。大学時代の元カレと就職後に再会してそこから結婚に至ります。旦那さまが提示した結婚の条件は片親との同居でした。

「再会から遠距離、そして私が東京に行くことで結婚に至りました。夫は一度親元を離れてみたい気持ちと、関西に一度行ってみたいという思いから関西の大学に進学しましたが、在学中の頃から東京に戻ることを決めていました。そして就職後には実家で母親と暮らし始めたという事実から、お願いされる前に同居を希望することぐらいわかっていました」

不用意な相談から父子の交流が発覚

31歳のときに朱音さんは妊娠。実の母親に頼りたかったものの、遠方ということに加えて義実家で暮らしているということから遠慮されてしまいます。しかしその分、義母は悪阻などの辛い時期には家の用事のほとんどを担ってくれたと言います。

「本当に義母がいなかったら妊娠から出産、子育てまで乗り越えられなかった気がします。感謝しかないですよ。義母は働いているのに、悪阻がひどくて家事を何もできなかったときには『休むのが今一番大事な仕事』と、世話をしてくれました。夫よりも何倍も心配してくれましたし、最初はパンツを洗ってもらうのとかに抵抗があったのですが、『パンツなんてみんな履いているでしょうが』と言って笑っていました。

なんとなく、義母は私の母親に似ているんですよね。私はクヨクヨしてしまうタイプなんで、あの楽観さは本当に気持ちを救ってもらいました」

子どもが大きくなってからも、程よい距離感で子育てを手伝ってくれ、子育てに口出しはせずにいてくれるとのこと。そんな平和な日常に水を差したのは旦那さまでした。旦那さまは小さい頃から会っていないはずの父親と連絡をずっと取り続けていたそう。

「義母と私は、私が思っているだけかもしれないけれどうまくいっていました。本当に家族として扱ってくれるし、尊重してくれる。

そんな関係が壊れるきっかけを、私が作ってしまいました。

夫は中学生のときに浮気をしていなくなった父親と連絡を取っていたのです。それがわかったのは本当にたまたまずっとしていなかった通帳記入したときに定期的な引出しを見つけたから。真っ先に疑ったのは夫の浮気でした。私は不安になって、義母に相談してしまったのです。そしたら、浮気よりも悪い結果になってしまって……」

【私たち夫婦に義母は「出ていけ」と言った次ページに続きます】

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