取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺ったのは、兵庫県内にて旦那さまと小学生の子どもとの3人で暮らしている杏里さん(仮名・35歳)。杏里さんは兵庫県出身で、両親と4歳と2歳上に姉のいる5人家族。両親はどちらも仕事人間で放任主義。家族仲以上に真ん中の姉との関係は良好で、その関係は2人が結婚後も続いていたそう。
「両親は小さい頃から共働きで父親は出張で家にいないことも多かったし、母親もフルタイムで働いていました。両親は仲良しで家族仲も悪くはなかったものの、両親とのつながりといったものは薄いかもしれません。また一番上の姉は気難しくて扱いにくいタイプで昔から苦手。その分、真ん中の姉とは高校時代に遊ばない時期もありましたが、ずっと仲良しです。真ん中の姉は22歳に、私は28歳に結婚したんですが、結婚後も仲の良さは保ったままでした」
表面では「娘のように」、裏では「他人が入ってくるな」
付き合っている期間に仲良くしていた義母とは結婚後もうまくやっていけると思っていた杏里さん。そんな思いとは裏腹に、最初に戸惑ったのは夫と義母の距離感だったとか。
「結婚前や結婚の報告の時は気づかなかっただけなのか、結婚後に変わってしまったのかはわかりませんが、義母は夫のことを“ちゃん付け”で呼んでいました。それに、私たちの家のことを聞くのはいつも夫に対してだけ。それが年々顕著になっていく感じでした。最初の頃は『息子ばかりで娘ができて嬉しい』とか言ってくれていたのに、態度は嬉しそうではなくどことなく鬱陶しそうでした。もしかして歓迎されていないのではと思うようになりましたね」
さらには夫だけではなく、義父や義弟との会話も義母に遮られることもあったとのこと。それは杏里さんが妊娠中でも関係なしだったと言います。
「私は結婚して1年ほどで妊娠がわかり、両親はもちろん、義両親もとても喜んでくれました。義実家は私たちの新居からほど近い場所にあったので、夫が実家に呼び出されることがよくあったんです。どんなタイミングだったかは忘れましたが、妊娠発覚後に私も夫について義実家に行った時に、夫と義母がいる時だけに感じていた、私に対する鬱陶しそうな態度が義父や義弟の前でもされるようになりました。義父や義弟が私の体を気遣ってくれているのが気に食わなかったのか、いきなり自分の出産時の大変さを語り始めたんです。さらには私は29歳での妊娠だったんですが、義母は23歳で夫を出産しているようで若い時に産んだ、若い母親だったというよくわからないマウントをされました。このくらいの時期から、私のことをよく思っていないんだろうなって確信してきた感じですね」
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