私たち夫婦に義母は「出ていけ」と言った
帰宅後の旦那さまを呼び、通帳の引き出し履歴を問いただしたところ相手は「お父さん」と。社会人になってからという結婚前からの交流、そして義父からのお金の無心が発覚します。
「ずっと夫はごまかしていたんですが、浮気を疑われて私が取り乱したところから焦って白状しました。
その告白を受けて、私はホッとしたのですが、義母は夫のことを質問攻めに。義父は月1回と決まっていた離婚後の面会も来ないで養育費も払わなかったような人みたいで、義母は怒りからなのか、覇気をなくしたように無口になって、ずっと一点を見つめていました」
義母はそこから朱音さんが話しかけても軽い返ししかしてくれなくなり、旦那さまとは口を聞かないように。朱音さんは旦那さまに義母の気持ちを考えるべきと伝えたそうですが、旦那さまは頑なに義父との連絡を絶たなかったと言います。
「夫は『親だから』『子どもは自分だけなんだから』と。私は兄がいて両親もいるので完全に共感するのは無理なのですが、そんなものなのでしょうか。母親を裏切って、外に女を作って、面会にも来なかったのに、大人になってお金を無心に来るだけの男の人は父親なのでしょうか。
義母には最初は根気よく私のほうから話しかけていたのですが、いつからか私にも言葉を返してくれないという諦めが芽生え、私と義母の間にも気まずい空気が流れていきました」
そして、義母に居間に呼び出されたときに「出ていって」と言われ、今の3人暮らしに至ります。
「『一緒に暮らしていくのはもう無理です』と言われました。夫も『わかった』と言うだけで話し合いではなく二言三言交わしただけ。どちらも折れる気がない感じがしました。
そこから本当に引っ越しすることになり、最後にお礼の言葉を伝えたところ『元気で』と言われました。訣別の言葉だったんだと思います。夫と義母だったら私は夫に寄り添うのが正しいことだとは思いますが、夫婦のお金が義父に渡っていることに対してのもやもやも解消されないままでこんなことになってしまって……。
あれ以来、義母とは会っていません」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。