取材・文/池田充枝
今日、世界中で愛されている画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、苦悩と失意のなかで世を去っています。ファン・ゴッホの没後、彼の芸術を世に知らしめた立役者のひとりがオランダの実業家夫人、ヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869-1939)です。
ヘレーネが創設したクレラー=ミュラー美術館のコレクションを中心にしたゴッホ展が開かれています。(2022年2月13日まで)
本展では、クレラー=ミュラー美術館から油彩画28点、素描・版画20点、ファン・ゴッホ美術館から油彩画4点が出品され、52点が一堂に会します。加えてミレー、ルノワール、スラー、ルドンら同時代の画家の作品20点も紹介します。
本展の見どころを、主催の西日本新聞社、安田由佳子さんにうかがいました。
「いまでは誰もがよく知る画家、フィンセント・ファン・ゴッホですが、その作品は、没後に開催された展覧会や伝記などを通して、そのドラマチックな人生とともに幅広く知られ、人気を獲得するようになりました。
ヘレーネ・クレラー=ミュラーはその立役者の一人です。ヘレーネは20世紀初頭にファン・ゴッホの人と作品に魅了され、20年間にわたり作品をコレクションし、公開することで画家の名を世に知らしめたのです。本展では、ヘレーネが開いたクレラー=ミュラー美術館と、ゴッホ美術館のコレクションから、52点のゴッホ作品を展示します。
その中でも注目の作品は、〈ヒマワリ〉と並ぶ代表的なシリーズ〈糸杉〉のひとつ、《夜のプロヴァンスの田舎道》です。今回16年ぶりに本作品が来日します。鮮やかでうねるような筆致を間近にご覧いただける貴重な機会です。各地を遍歴し描き続けた画家の生涯を振り返り、評価と人気が高まっていく過程にも注目する本展、ぜひ会場でお楽しみください」
いつ見ても、何度見ても心揺さぶられる作品が満載!! ぜひ会場に足をお運びください。
【開催要項】
ゴッホ展——響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
会期:2021年12月23日(木)~2022年2月13日(日)
会場:福岡市美術館
住所:福岡市中央区大濠公園1-6
電話:092・714・6051
開館時間:9時30分から17時30分まで(入館は17時まで)
休館日:月曜日(ただし1月3日、1月10日は開館)、年末年始(12月30日~1月1日)、1月4日(火)、1月11日(火)
https://www.fukuoka-art-museum.jp
料金:HP参照
アクセス:HP参照
※会場内の密集をさけるため、土・日・祝日、1月2日・3日は日時指定チケットの事前購入を推奨します。
巡回:名古屋市美術館(2022年2月23日~4月10日予定)
取材・文/池田充枝