ふらつきやめまいが突如おこる、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調があらわれることがあります。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの?
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第65回のテーマは、「ふらつき」です。あんしん漢方の監修医である木村 眞樹子先生に教えてもらいました。
1.ふらつき・めまいが運転中におこるなんて
美香さん 45歳女性 主婦の方からご質問を頂きました。
「45歳主婦です。普段からふらつき、めまいの症状はありました。仕事に家事に忙しく、少し疲れているのかな? と思う程度で、特に真剣には考えてはいませんでしたが、それが運転中におこり、気付いた時には事故をおこしていました。そして、その事故の影響で仕事も退職することになってしまいました。
また事故を起こしてしまうのではないか? と不安で、今後運転をすることが怖く、仕事も失ってしまいつらいです。病院も受診しましたが、病院のお薬も効果がありません。どうすればいいでしょうか?」
ご質問ありがとうございます。運転中の突如のふらつき、一度ご経験されると、今後が不安ですよね。また、仕事も退職、病院のお薬も効かないとなると、さらにおつらいことと思います。
美香さんようなのふらつきの症状は、更年期障害の可能性があります。今回は「ふらつき」について、その原因と対処法をご紹介します。
2.ふらつきの原因は更年期のホルモンバランスの乱れ
更年期には、女性ホルモンの分泌バランスの乱れによって、ふらつきの症状がおこることがあります。
女性ホルモンには「エストロゲン」「プロゲステロン」の2種類があり、この2種類のホルモンの分泌量は年齢によって変化していきます。更年期には、エストロゲンの分泌量が低下し、それによりからだに様々な変化、不調があらわれることがあるのです。
その不調のひとつが、「ふらつき」です。実際に、更年期障害によるふらつきに悩まされている女性は少なくありません。
東洋医学では、更年期にあらわれる「ふらつき」は、血(けつ)の不調からきていると考えられています。そのため、これらの不調の改善には、血の巡りや不足を改善する漢方薬が処方されます。
3.更年期のふらつき・めまいの予防法
更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。 効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。
ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、自分でできる日常的なケアや、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。以下に、更年期のふらつきに対するセルフケアをご紹介します。
3-1.バランスのいい食事・適度な運動・十分な休養を大切に
食事や運動、休養などの生活習慣を整えることは当たり前のことですが、意外と難しいもの。更年期には、その「当たり前」が1番大切です。
バランスのいい食事、運動、休養は血流も改善してくれ、筋肉もつけてくれます。結果的に、基礎代謝も上がり、更年期障害の予防にもつながります。
女性ホルモンが低下すると、骨粗しょう症にもなりやすくなり、からだも弱まっていく一方です。そのため、筋力や体力の低下によっても、ふらつきがおこりやすくなります。
カルシウム、ビタミンDが摂れるバランスのいい食事を心がけ、適度な運動・睡眠など「当たり前」の生活習慣を意識しましょう。
3-2.自分にとっての「楽しさ」・「安らぎ」を知る
ふらつきをはじめとする更年期症状の改善のためには、ストレスをためない生活が重要です。
心とホルモンは大きく関係しています。ストレスを抱えてしまうことで、ホルモンバランスが崩れ、更年期症状も悪化してしまいます。
そのため、更年期にはとくにストレスをためない工夫が必要。具体的には、自分は何をやっている時が楽しいのかや、どういうときに安らげるのかを考えてみましょう。自分自身を知ることと、リフレッシュ時間を確保することが大切です。
3-3.漢方薬で更年期障害を撃退!
「ふらつき、めまいを根本から改善したい」
「西洋薬ではふらつき、めまいがなかなかよくならない」
そんな方には、医薬品としてめまいやふらつきに効果が認められている漢方薬がおすすめです。
漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
漢方ではめまいの原因は体内の水分が乱れていると考え、からだ全体のバランスと整えることが重要だと考えます。
漢方薬が目指すのは、ふらつきなどの症状をとりあえず抑える対症療法ではなく、根本的な解決です。体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。
「バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手」という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
<更年期のふらつきに悩む女性におすすめの漢方薬>
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):肩こり、頭痛、めまい、のぼせて足冷えなどのある方、更年期障害、肩こりなど
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすい方の更年期障害、むくみ、冷え症などに効果がある漢方薬です。
ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師等にご相談ください。
「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、医薬品の漢方薬がおすすめ。スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。
AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」サービスでは、漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれます。お手頃価格で自宅まで郵送してくれるため、手軽で便利です。
4.漢方薬を味方につけて更年期障害を乗り切ろう
「疲れているのかな?」と感じたら、自分の体の声をきいてみましょう。そのまま放っておくと、ある日ふらつきに襲われ、運転中、事故を起こしてしまう可能性もあります。
「このぐらいの症状なら……」とそのままにしておくのではなく、早めに対処しましょう。体の異変に少しでも気付いたら、専門家に相談のうえ、今回ご紹介した漢方薬を検討してみてはいかがでしょうか。
つらい「ふらつき」にしっかり対処し、更年期を乗り切りましょう。
<この記事を書いた人>
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
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