仕事のスキルアップに関する意識調査
漠然と「スキルアップしたい」と思いつつ、「何をどう始めたらいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
今回、株式会社ビズヒッツ( https://bizhits.co.jp/ )が運営するビジネス上の問題解決を考えるメディアBiz Hits( https://media.bizhits.co.jp/ )は、働く男女500人に「仕事のスキルアップのためにしていること」についてアンケート調査を実施。
その結果をランキング形式でまとめましたのでご紹介しましょう。
調査概要
調査対象:現在お仕事をしている方
調査日:2021年9月25日~26日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:500人(女性307人/男性193人)
回答者の属性
仕事でスキルアップの努力をしている人は68.0%
まず「スキルアップの努力をしていますか」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
68.0%の人が「している」「まあしている」と回答。
働きつつ時間を見つけてスキルアップに取り組んでいる人が7割近いという結果になりました。
一方で「全くしていない」「あまりしていない」という人からも「何かしたいと思っているが何もできていない」「仕事に慣れてきたらパソコンスキルなどを身につけたい」という声も。
「今はできていないが、スキルアップはしたいと思っている」という人も多いことが伺えます。
仕事のスキルアップのためにしていること1位は「資格取得」
次に「スキルアップのためにしている(した)こと」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位は「資格取得」でした。
2位は「仕事に役立つ勉強・情報収集」、3位「パソコンスキルの向上」と続きます。
今よりも自身の能力や価値を上げるために、具体的な行動を起こしている人が多いことがわかります。
では、上位7位までを具体的な回答とともに紹介していきます。
【1位 資格取得】
・ケアマネジャーの資格取得のため、毎日勉強している(40代女性 訪問看護師)
・会社に資格援助の福利厚生が有るので、それを利用し、資格の取得に努めている(30代男性 メーカーの総務課)
・医療事務の資格を持っていますが、新たに介護事務の資格を取ろうと勉強中(50代女性 医療事務)
資格取得の目的は、「仕事に役立てるため」「昇進や昇給につなげるため」「箔をつけるため」などさまざまでした。
また、業務の幅を広げる目的で、現在の仕事には直結しない資格を取得する人も。
転職を見据えて資格取得を目指している人もいました。
【2位 仕事に役立つ勉強・情報収集】
・取り扱っている商品についての勉強をして、お客さんの問い合わせに迅速に回答できるようにしている(20代男性 商社の営業事務)
・使用ソフトを使いこなすために本やネットで調べてスキルアップができるようにしている(30代女性 イラストレーター)
・法改正など情報収集(40代女性 コンサルティングの事務職)
現職に直結する知識・技術の習得に努めているという声が多数寄せられました。
また、業界動向やトレンド・他社商品などについて情報収集を行っている人も。
変化や技術の進歩がはやい業界、法改正が頻繁に行われる業界で働いている方にとっては、知識や情報のアップデートも欠かせないようです。
勉強方法としては、テキストや関係書籍を購入する人のほか、専門サイトやYouTubeを利用している人も目立ちました。
【3位 パソコンスキルの向上】
・エクセルを使いこなせるようにしている(40代女性 卸売の事務)
・パソコン関係。使わざるを得ない状況で、頑張ってやっている(40代男性 メーカーの営業職)
・YouTubeのExcelの使い方動画を見ながら実際に使って覚えたりしている(40代女性 データ入力)
パソコンスキルのなかでもダントツに多かったのが、オフィスワークには欠かせないエクセルスキルの向上。
仕事を効率化するために、関数やマクロを独学で勉強しているという声が多数寄せられました。
パソコンスキルは、市販のテキストや動画サイトなどを利用すれば独学でも学びやすいですよね。
【4位 セミナーやスクールへの参加】
・外部研修へ定期的に行っている(30代男性 病院相談員)
・研修会に参加し、常に新しい情報を取り入れています(30代男性 病院の管理栄養士)
・オンライン受講で仕事に必要な知識を学んでいる(30代女性 美容関連の事務・営業)
専門性の高い職業の方、とくに看護師・ソーシャルワーカー・理学療法士など医療機関で働く人の回答が目立ちました。
業界の動向を知ったり、知識・技術のアップデートをするために定期的に通っている人も多いようです。
また、「プログラミング」「WEBデザイン」「ライティング」など、新しい仕事を始めるためにスクールに通い始めたという人も。
最近はオンラインの講座やセミナーを活用している人も多いようです。
【5位 語学を学ぶ・向上させる】
・TOEICを毎年受験(20代女性 免税店店員)
・YouTubeを使って、英語のリスニング力や、会話表現を学んでいる(40代女性 子供英会話講師)
・日常英会話の勉強(30代女性 教育支援業の受付事務)
語学のなかでも圧倒的に多かったのは、やはり英語。
海外営業、接客業、翻訳、英会話講師など、日常的に英語を使うお仕事の方が目立ちました。
「もっと流暢に話したい」「海外との交渉をスムーズに進めたい」など、仕事の質を高める目的で学んでいる人が多いようです。
また、TOEICのスコアや英語のスキルが給与や昇進に関わるため、勉強している人もいました。
【6位 本を読む】
・本を読む習慣がなかったので月に一冊何か読むようにしている(30代女性 WEB事務)
・職場の人間関係がスキルアップに関係してくるのを最近感じるので、アドラー心理学の本などで勉強、実践したりしている(30代女性)
ビジネス本、自己啓発本、心理学の本などを読んでいる人が多め。
仕事内容に直接関係なくても、「新しい考え方を学べる」「モチベーションが上がる」など、本を読むことのメリットはたくさんあるようです。
【7位 仕事のやり方や業務内容の見直し】
・いつもとは違うやり方で作業を進めて、成果が出ればそのやり方を採用する(30代男性 製造業)
・今まで使ったことのないアプリを使って仕事の効率が上がるように学習する(50代女性 経理)
・味付けの改良や仕事の効率化を、毎日追求している(20代男性 介護施設の調理師)
7位には「仕事のやり方や業務内容の見直し」がランクイン。
なかでも、「仕事を効率化・簡略化する工夫している」との回答が多く寄せられました。
自身で試行錯誤する人のほか、同僚や上司からフィードバックをもらうという人もいました。
スキルアップしたい理由1位は「収入アップしたい」
続いて「なぜスキルアップしたいのですか」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
ダントツで1位になったのは「収入アップしたい」です。
2位以下は「転職を見据えて」「自分の成長のため」「効率アップのため」と続きます。
9位以下には「自信をつけたい」「社会・会社に貢献したい」「独立のため」などが入りました。
では具体的な回答を紹介します。
【1位 収入アップしたい】
・現在の状況を変えて、収入アップに繋げたい(20代男性 公務員)
・スキルアップすれば商品が売れて、自分自身の査定評価にも直結するから(30代女性 アパレル販売)
・資格を取ることで、会社から手当てが出るので(60代以上男性 ITエンジニア)
「スキルアップして仕事量が増えれば昇給する」「資格を取得すれば、資格手当が支給される」などの回答が寄せられています。
スキルアップや資格取得が評価に結びつく会社だと、「スキルアップしよう」というモチベーションも高まりますね。
フリーランスとして働く人からは「仕事の効率を上げ、多くの案件を担当できるようにして収入を上げたい」という声もありました。
【2位 転職を見据えて】
・仕事を失っても、スキルがあれば再就職しやすいから(20代女性、一般事務)
・いつでも転職できるよう準備するため(30代男性 自動車メーカーの技術職)
・将来転職が必要になったとき、スキルで差別化すれば有利に転職活動ができると考えています(40代男性 食品会社の研究職)
「転職のために資格を取っておきたい」「次にもっとよい仕事を見つけるため」などの回答が寄せられています。
「転職する際に、自分がどのように働いていたかを文章や面談で話しても説得力がない可能性も高いが、資格があれば強みがでると思ったので」という意見も。
また転職ではなく「社内で希望部署に異動したいから」と答えた人も複数いました。
【3位 効率アップのため】
・仕事のスピードを上げて早く帰れるようにしたいから(20代男性、商社の営業事務)
・よりよい作品を効率的に生み出したいから(30代女性 イラストレーター)
・仕事のスピードアップをするためです(40代女性 データ入力)
「スムーズに仕事を進めたい」「作業を早く終わらせるため」「無駄な仕事をなくして早く帰りたい」「楽に仕事をこなせるようになりたい」などの回答が寄せられました。
「納品書や発注書作成の時間を短縮できるよう、ショートカット機能などを覚えたい」「マクロ機能を使うと効率化できると知り、エクセルとマクロのスキルを習得中」という具体例を寄せてくれた人も。
「作業時間短縮・効率化ができれば仕事にゆとりが生まれて、他の作業にとりかかれたり、チェックに時間を使える」という回答もありました。
【4位 自分の成長のため】
・自分磨きのため(20代男性 フリーライター)
・新しいことを身につけチャレンジすることで成長できるからです(30代女性 人材関係)
・「知識を身につけること」「学び続けること」はとても大切だと思うので、スキルアップは心がけています(40代女性 教育関係)
「自分を成長させたい」「自分のできることを広げておくことが、老後の生活を豊かにしてくれると思うから」などの意見が寄せられています。
スキルアップによりできることが増えると、自身の成長を実感します。
すると「もっと勉強したい」「もっとスキルアップしたい」というモチベーションにも繋がり、好循環が生まれそうです。
「自身の成長は自己実現にもつながりますから手は抜けません」という回答もありました。
【5位 仕事の幅を広げたい】
今のスキルよりレベルをあげ、何でもこなせる人間になりたい(20代女性、料理人)
自分が受けられる仕事の幅を広げるためにスキルアップしたいです(30代女性 建築業の営業事務)
新しい開発プロジェクトを任せてもらうため(40代男性 システムエンジニア)
「仕事の幅を広げたい」が5位に入りました。
「できる仕事の種類を増やしたい」「いろいろな仕事にチャレンジしたい」などの回答が寄せられています。
「海外との取引など、仕事の幅を増やしたい」と、具体的にやりたい仕事を挙げてくれた人も。
また「スキルアップをしないと、今後の仕事の幅が狭まってしまうのでは」「このままでは、いつまで経っても似たような仕事しかできない」など、スキルアップしないことによるデメリットを強く感じている人もいました。
【6位 仕事の質を高めたい】
・仕事の精度を高めるため(20代男性、広告関係)
・英語を教えている生徒に、質の高い授業を提供したいから(40代女性 子ども英会話講師)
・わかりやすい売上表を作ったりしたいからです(50代女性 製造の事務)
「よりよいサービス・商品を提供したい」「仕事をきちんとしたい」「顧客満足度を向上させたい」などの回答が寄せられました。
「よりよい仕事をして顧客満足度を上げ、会社に貢献したいと思っているから」という声も。
質の高い仕事ができるようになることで、社内外からの評価が高まったり「仕事が楽しい」という気持ちが強くなったりしそうですね。
【7位 キャリアアップしたい】
・自身の技術を磨いて、さらに上の役職を目指すため(20代男性 メーカーの技術職)
・スキルアップをしないと今後昇給や昇進が望めず、何か武器になるものが必要と感じるため(30代女性 IT商社のマーケティング職)
・労務関係のスペシャリストになりたいため(40代男性 運送業の経理事務)
「上を目指したい」「昇進したい」「高度な業務に携わりたい」などの回答が寄せられています。
「ルーティンワークばかりでなく、経営を俯瞰で見られるような業務に携わりたい」という人も。
「キャリアアップを狙う転職のために頑張っています」という人もいました。
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男女500人にアンケートを行ったところ、スキルアップのために努力しているという人は68.0%でした。
スキルアップのためにやっていること第1位は「資格取得」。
「スキルアップしたいとは思っているが、何からやればいいかわからない」という人は、まず仕事に関する資格取得を目指してみるのがいいかもしれませんね。
そして「スキルアップしたい理由」第1位は「収入アップしたい」でした。
2位には「転職を見据えて」が入っており、スキルアップして転職することで、収入アップやキャリアアップを目指す人もいることが伺えました。