とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第55回のテーマは、「背中の痛み」です。医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。
1.背中が痛くて寝られない! からだの疲れもとれず…
間宮さん 41歳女性 主婦の方からご質問を頂きました。
「3か月ほど前から背中の痛みに悩んでいます。痛むのと同時に強ばる感じがして、とてもつらいです。とくに就寝中に痛みで目が覚めてしまうので、眠りも浅くからだの疲れた感じが抜けません。
痛む時間帯はだいたい夕方か夜にかけてですが、鎮痛剤が手放せなくなりました。最近は鎮痛剤の飲みすぎで頭痛まで起こる始末です。つらい背中の痛みはいったいどうすれば改善できるのでしょうか? 」
ご質問ありがとうございます。背中の痛みの症状は生活の質にも関わる悩みなので、つらいですよね。
背中の痛みは、実は更年期症状と深い関わりがあります。その原因、そして対策についてもご紹介します。
2.更年期の女性ホルモンの乱れが背中の痛みの一因に!
背中の痛みの原因は、筋肉の緊張です。血行不良が起き、乳酸などの疲労物質がたまることによって「こり」が起こります。
背中の痛みは首や肩から広がる場合が多く、慢性的な痛みになることもあります。もともと、女性は男性に比べ肩回りや腰を支える筋肉が弱く、加齢によってさらに症状が出やすくなってしまうのです。
さらに、女性は閉経前後に女性ホルモンのバランスが崩れ、からだの様々な部分に不調が出てきます。これを更年期症状といいますが、早い人では30代後半から40代前半にも更年期の影響があらわれます。
女性ホルモンのエストロゲンの分泌が乱れ、これが自律神経や血液の循環に影響を及ぼし、筋力の低下や背中の痛みの原因になってしまいます。
3.背中の痛みを解消する3つの方法
更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。
効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。 ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。
3-1.からだを温め冷えを防ぐ
女性は男性に比べ脂肪の割合が多めです。脂肪はいったん冷えると温まりにくいという性質があります。そこで、からだをいかに冷やさず温めるかが重要になります。
夏場でもシャワーだけで済ませず湯船に浸かり、からだを芯から温めましょう。また、食事も発酵食品や根菜など、からだの温度を上げるのに適したメニューを積極的に食しましょう。自律神経を整えることで代謝機能の改善にも役立ちます。
3-2.同じ姿勢をとらず適度な運動
長時間同じ姿勢をとっていると、筋肉が緊張し、こりの原因になります。血液の流れが滞れば筋肉の疲労物質がたまり、血管の圧迫により痛みが増すことがあります。
運動は激しすぎない軽めのものを行いましょう。急な運動はかえって逆効果で、背中の筋肉を傷めることもあります。ゆっくり行えるストレッチがおすすめです。両手をゆっくり上にあげて背筋を伸ばす、肩をグルグルと回すといった簡単なものでも十分です。
3-3.漢方で背中の痛みの改善をめざす
「鎮痛剤には頼りたくない」「背中の痛みを体質から改善したい」
そんな方には関節痛、神経痛などに効果が認められ、医療現場でも使われている漢方薬がおすすめです。
更年期症状は背中の痛みのような運動器官系の症状だけでなく、血管運動神経、精神神経、消化器、皮膚など様々な部分に影響が出やすくなります。漢方はただ緩和する対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決をめざします。
運動をこまめに行ったり生活習慣の見直しが面倒という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、飽きることなく簡単に持続できます。
以下に、背中の痛みに悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<背中の痛みに悩む女性におすすめの漢方薬>
疎経活血湯(そけいかっけつとう):腰痛や関節痛や筋肉痛などのほか、手足のしびれにも使われます。体力が中程度以上の方に処方される漢方薬です。
五積散(ごしゃくさん):冷えのある方に適しています。関節痛や頭痛、月経痛や更年期の症状に対して用いる漢方薬です。
漢方薬の選択は自分で行わず、必ず漢方知識のある医師や薬剤師にご相談ください。漢方薬はそれぞれ人の体質に合ったものを用いることが重要で、その判断には専門性が求められます。
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4.背中の痛みに悩まされない生活を送ろう!
しつこい背中の痛みは、更年期症状が原因になっている場合があります。しかし、生活習慣の見直しや専門家に相談して漢方薬を用いることによって、改善をめざせます。睡眠時間を奪われたりストレスで生活の質を落とさないためにも、今回ご紹介した対策を身につけ、活かしてみてください。
<この記事を書いた人>
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
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