色彩豊かな民族衣装に身を包んだふたりの少女。収穫したばかりと思しきトウモロコシを背負い、ひとりが喉を潤し、もうひとりが満面の笑みでそれを見守っている。のどかでどこか懐かしい穏やかな日常が、田園風景の緑を背景にした美しい一枚の写真となり、見る人の心を揺さぶっている(写真/Kyaw Kyaw Winn)。
撮影されたのは、ミャンマーの農村地帯。人口約5000万人、日本から約4300離れた東南アジアの仏教国だが、平和だった日常が、今年2月に起きた軍のクーデターによって脅かされている。
東京・新宿で7月1日から開催される写真展「ミャンマー・世界の人々に平和と希望の光を」は、私たちが知らないミャンマーの美しい自然や、そこで暮らす人々の日常を撮影した56点の写真が展示されている。実行委員会で日本写真協会の神谷京子さんが解説する。
「ミャンマーの写真家の名前を表に出すことで、彼らがミャンマーで危険にさらされるのではないかと危惧しましたが、彼らは、自分たちの作品が平和への祈りとして展示されることに感謝している、と連絡をくれました。改めてミャンマー国民の平和への強い意志を感じています。写真を通して再び平和な穏やかな生活に戻ることを願いたいです」
会場では、ミャンマーのポストカード、珈琲や紅茶も販売。一部はチャリティーとして使われる。ミャンマーの人々に、再び穏やかな日常が戻ることを祈りたい。
「ミャンマー・世界の人々に平和と希望の光を」
〈会期〉7月1日(木)~7月6日(火)11時~18時(最終日 14時)
〈会場〉ヒルトピアアートスクエアギャラリーC
東京都新宿区新宿6-6-2ヒルトン東京B1 ヒルトピアショッピングアーケード内