コロナ禍により生活環境が大きく変化する中、引っ越しを考えた方も多かったのではないでしょうか? そこで、不動産テック総合サービス「RENOSY(リノシー)」を運営する株式会社GA technologies(https://www.ga-tech.co.jp/)が、RENOSYに掲載された賃貸物件を対象とし、2020年の1年間に年収1,000万円以上の方が賃貸借契約をして、実際に住まわれている街(東京23区)はどこかの調査を行いました。2020年はどの街が人気だったのでしょうか。ランキングでお伝えします。

■年収1,000万円超えプレイヤーが選ぶ、住みたい街は? 

▷第1位【南麻布(港区)】

「港区南麻布」は、コロナ禍前から常に人気のエリアです。各国の大使館も立ち並び、さまざまな国籍の人たちが街を行き交います。緑豊かな有栖川宮記念公園があり、都会にいながら自然を身近に感じることができ、六本木・赤坂・表参道・銀座などへもアクセスしやすい好立地エリアです。公共機関では広尾駅が最寄り駅で、白金高輪駅や麻布十番駅からもアクセスできます。

外交官や外資系金融業界に勤務される外国籍の方が帰国され、その場所の空室を待っていた希望者がすぐに入居するという動きも見られました。南麻布と並んで、その北側の麻布十番へとつながる元麻布も好まれ、高台に人気が集まっています。

▷第2位【新宿(新宿区)】

「新宿区新宿」は、世界一のターミナル駅(※)である新宿駅の東側に位置します。新宿駅のほか、新宿三丁目駅、東新宿駅、新宿御苑駅からアクセスできるエリアです。
※乗降者数359万人「Busiest station」としてギネスにも認定(2018年時点)

新宿は、2020年新型コロナウイルスの影響で、入退去が活発だったエリアでもあります。退去する人が多くなると、フリーレントなどの好条件の物件が多くなり、動きが活発になりました。新宿駅および、新宿三丁目駅周辺は商業ビルで賑わいますが、駅から少し離れると住宅街になり、各所へ移動するにも便利な暮らしやすい街です。近隣の病院関係者や、西新宿にオフィスのあるIT関係者などに選ばれています。

▷第3位【勝どき(中央区)】

「中央区勝どき」は、勝どき駅と月島駅からアクセスできるエリアで、タワーマンションの建設が続く街です。街自体が新しく、整備が行き届いているので暮らしやすく、お隣のエリアの豊洲と合わせて発展中の街です。

築地・銀座方面をはじめ、バスを利用してさまざまな場所へ移動できる、アクセスのしやすさも注目ポイント。大手町駅・東京駅に法律事務所が集中しており、特に士業の方などは「通勤に便利」という理由で選ばれています。

▷第4位【赤坂(港区)】 

「港区赤坂」は1丁目から9丁目まであり、公共交通機関の駅も赤坂駅・青山一丁目駅・赤坂見附駅・溜池山王駅・乃木坂駅などと幅広いです。都心の中心部で、車移動も短時間で移動しやすい、安定の人気エリアです。

赤坂1丁目は虎ノ門駅がすぐ隣に位置しており、虎ノ門ヒルズ駅からもアクセスできます。赤坂9丁目は、住所は赤坂ですが、「六本木」をイメージする人が多い「東京ミッドタウン」もある場所です。六本木駅からアクセスできます。このように「赤坂」の町名がついていても、さまざまな特色のあるエリアです。

このエリアは、東京商工リサーチ約390万社の代表者データによる「社長の住む街」ランキングで2020年トップだったエリアでもあります。もともと高所得層向けに作られた物件も多く、需要と供給が一致した結果となっています。

▷第5位【海岸(港区)】

「港区海岸」は、浜松町駅から竹芝駅・日の出駅・芝浦ふ頭駅を含むエリアです。近年、竹芝では水辺という立地を生かしたまちづくりが行われ、2020年に再開発事業が完了、「ポートシティ竹芝」がオープンしました。竹芝は、特に東京駅周辺勤務の方たちに選ばれているようです。

▷第6位【神宮前(渋谷区)】

「渋谷区神宮前」は、原宿駅から表参道駅・外苑前駅付近までのエリアで、大規模な再開発が進む渋谷駅からもアクセス良好です。「渋谷に近く、かつ落ち着ける場所に住みたい」という根強い人気によってランクインしています。

▷第7位【西新宿(新宿区)】

「新宿区西新宿」は、新宿駅の西側、都庁を含むエリアです。公共交通機関では、新宿駅のほか、西新宿駅、都庁前駅、西新宿五丁目駅からアクセスできるエリアです。西新宿は、新宿区の中のオフィス街として定着した街です。新しいオフィスビルで働く人が増えると、そのエリアに住む人も増えていきます。ここ10年ほどで、オフィスビルと隣接したマンションに人気が集まっています。

▷第8位【六本木(港区)】

「港区六本木」は、六本木駅から乃木坂駅、六本木一丁目駅の周辺エリアです。外資系企業やベンチャー企業の集まるオフィス街でもあり、「六本木ヒルズ」を中心に観光地でもあります。2020年のこの街の動きは、ほかのエリアに比べて落ち着きを見せました。これは六本木と虎ノ門の中間地点にあたる「虎ノ門・麻布台プロジェクト」が進行中(2023年に竣工予定)のため、様子見があったことが予想されます。

▷第9位【高輪(港区)】

「港区高輪」は、エリアの西側は白金高輪駅、高輪台駅、東側は品川駅から泉岳寺駅まで公共交通機関でアクセスできる一帯です。エリア東側で接する高輪ゲートウェイ駅周辺は、現在開発中のため、今回のランク入りの要因としては主に「白金高輪駅や高輪台駅からアクセスできるエリア」に人気が集まったことが挙げられます。高輪ゲートウェイ駅周辺の開発が完了して、10年〜20年後には街の人気度などにも変化が表れることでしょう。

▷第10位【芝浦(港区)】

「港区芝浦」は、田町駅から徒歩圏内のエリアで、ウォーターフロントに位置するタワーマンションへの需要から、ランクインしました。このエリアは、大型の高層マンションが建設されたことで変化してきた街です。

このエリア北側にある「株式会社東芝」本社事務所でもあった「浜松町ビルディング(東芝ビルディング)」は、2021年から約10年かけて約235mの複合ビル2棟へと建て替えられる予定で、街の今後の変化にも注目です。

公共交通機関を利用するならば田町駅を利用することで、さまざまな場所へアクセスが可能です。また水上バス「アーバンランチ」でお台場へも行くことができます。

■「脱・都心」が顕在化する一方、賃貸物件は面積が広いほど需要増加、家賃も上昇傾向

アットホーム株式会社が2021年2月に発表した「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向によると、2021年1月の東京23区のマンション平均家賃は、30㎡以下の物件で89,229円となり、前年同月比で-1.1%(989円)ダウンしたのに対し、70㎡超の物件では、平均賃料が337,841円で前年同月比+4.1%(13,453円)アップしました。

また、30〜50㎡の物件では132,455円で前年同月比+1.2%(1,604円)アップ 、50〜70㎡の物件では191,140円で前年同月比+2.2%(4,196円)アップと、東京23区の賃貸物件は、部屋面積が広い物件ほど需要が高く、前年よりも家賃が上昇しています。

一方、総務省が1月に発表した住民基本台帳人口移動報告によると、2020年の東京23区への転入超過数は約1.3万人と、2019年の約6.4万人から79.6%もダウンしました。

* * *

港区は年収1,000万円超えのプレイヤーから、圧倒的な支持を得る結果となりました。部屋の広さや、在宅時間が伸びたことによる住宅設備の充実など、住環境に求める価値や、住む地域は人によって様々です。一番大切なのは、自分らしく、どのように「住まう」か、なのではないでしょうか。


【調査期間】2020年1月1日(水)~2020年12月31日(木)
【調査対象】RENOSYに掲載された東京23区の賃貸物件
【集計方法】RENOSYに掲載された東京23区の賃貸物件のうち、年収1,000万円以上の物件成約者数をエリアごと(※1)に集計(※2)
(※1)「エリア」は、調査対象の物件情報に登録されている住所をもとに、「〇〇区」以下の町名(町区域)を集計。
(※2)成約数が同数の場合は、平均賃料が高い方をランキング上位とした。

 

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