とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第39回のテーマは、「シミ」です。医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。
1.どんどん濃くなるシミ、もしかして他の場所にも?
井澤さん 52歳女性 専業主婦の方からご質問を頂きました。
「この間、化粧を落とした後に鏡を見たらシミを見つけてハッとしました。それまではまったく気づかなかったんです。一度シミを見つけたら気になってしまい、毎朝コンシーラーでしっかり隠しています。
しかし、寝坊をしてしまったある日、化粧をしないまま朝食の支度をしていると、息子が私の顔を見て『なにそのデカいシミ、おばあさんみたいじゃん』と、悪気もなく言ったのです。
シミは濃くなっている気がするし、他の目立つ場所にもできるかもしれない…。このまま自分がどんどんおばあさんの姿になっていくのが怖いです」
ご質問ありがとうございます。いくつになっても綺麗でいたいと思うのは、女性なら当然です。日に日に目立つシミが気になるうえに、原因がわからないとなるとかなりつらいですよね。
井澤さんのようにシミができるのは、更年期が原因の可能性があります。「シミと更年期って関係あるの?」と疑問に思われるかもしれませんが、実は深い関わりがあるのです。
2.シミの原因は更年期による女性ホルモンの乱れ!
「シミ」と言ってもその原因は様々です。一般的にイメージされることが多いのは、紫外線の積み重ねによるシミ。これは「日光性黒子(老人性色素斑)」と呼ばれるもので、メラニン色素が深く関係しています。
肌を守るために生成された黒色メラニンが、加齢の新陳代謝低下により肌のターンオーバーで排出されず、色素沈着として残るとシミになってしまいます。
これとは別に、両頬に薄茶色にできるシミは「肝斑」と呼ばれ、女性ホルモンの分泌低下が原因です。早ければ30代後半から出始めますが、主に更年期の50代前後の女性に多くみられるシミです。
閉経後に肝斑は薄くなりますが、老人性のシミは増えます。
女性ホルモンの分泌バランスは、閉経を迎える前の更年期に大きくゆらぎを伴い乱れます。そして、女性ホルモンの乱調は、ストレスなどによっても引き起こされます。
そのため、シミが気になりすぎてしまい、さらにストレスが溜まって更年期症状が悪化する…という悪循環に陥ってしまうことも考えられます。
3.今すぐできるシミ対策4つの方法
更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。
効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。
ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。 更年期のシミの悩みには、基本的なお肌のケアと合わせて、からだの内側からのケアも行っていきましょう。
3-1.シミを作らない正しい洗顔方法
過度な洗顔は肌トラブルの原因になります。本来の保湿やバリア機能を削ぐほど、執拗に洗顔を行うことはNGです。摩擦は皮膚を硬くし、シミやシワの原因になります。
洗顔する際は、石鹸の泡を優しく顔に当てます。擦りすぎないことを意識して水で流し、柔らかく清潔なタオルで拭きましょう。
化粧水は指先ではなく手のひらで優しく顔になじませます。乳液・クリームは低刺激で自分の肌に合う商品を使用しましょう。
3-2.しっかり睡眠をとる
当然ですが、質の高い十分な睡眠は肌にとって大事です。スキンケアと同時に、内面から行うインナーケアを意識しましょう。入眠から3時間の間に成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーを促してくれます。新陳代謝は若々しい肌を保つのに重要な要素です。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」から成り立ちます。リラックス状態を作り出す副交感神経を優位にさせることが、良質な睡眠につながります。
お風呂に入るときは、シャワーで済ませずに湯船に浸かりましょう。お湯の温度は体温よりやや高めの37~度40度がおすすめです。熱すぎないぬるめのお湯に浸かると、うまく副交感神経を働かせられます。
肉体の疲労が溜まっているとストレスも溜まりやすくなり、それが肌にも出てしまいます。日頃から疲労やストレスを溜めないように気をつけましょう。「嫌なことがあったらクヨクヨせずに寝てしまう」という割り切った考えも大切です。
3-3.抗酸化作用のある食事
体の酸化をふせぐ「抗酸化力」を高めると、シミを予防できます。
女性ホルモンのエストロゲンには、抗酸化作用によりシミを改善する効果があるとされています。このエストロゲンと似た働きをする「大豆イソフラボン」が豊富に含まれる、大豆製品を意識的に摂取しましょう。大豆製品は比較的安価で日常的に食卓に並べやすいものばかりです。
また、シミの悩みには抗酸化作用のあるビタミンCなどを、食事からうまく摂取することも大事です。キウイはレモンよりもビタミンC量が多く、ビタミンEも含まれていて最適な美肌フルーツです。カボチャ、ブロッコリー、ゴーヤなどもビタミンCが多く含まれています。
こうした食材を食事で摂ると、ビタミン剤などで摂取するよりもビタミン吸収率が高いとされています。そのため、ビタミン類は食事で摂ることが理想的です。
また、鮭は抗酸化作用のほかに、シミの原因になるメラニンの生成を抑えてくれるアスタキサンチンが含まれています。蕎麦はビタミンE、ルチンが多く含まれ、これも抗酸化作用がある食事です。
日々の食事から、抗酸化作用のある食材を効果的に賢く摂取し、シミができにくい肌作りを心がけましょう。
3-4.漢方でシミの悩みの改善をめざす
「シミやシワ、たるみなども気になる」
「シミを体質から改善したい」
そんな方にはシミだけでなく、色々な肌トラブルにも効果が認められている漢方薬がおすすめです。
一般的に、漢方薬は自然の生薬を組み合わせて作られており、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、症状の緩和、苦痛を和らげるための対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決をめざす漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。
バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、漢方薬なら症状や体質に合ったものを毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
それでは以下に、シミに悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<シミに悩む女性におすすめの漢方薬>
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):体力がある方向けの漢方薬です。シミや湿疹、皮膚炎などに用いられます。月経異常などの更年期障害にも処方されます。
桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん):桂枝茯苓丸に薏苡仁を加えたもので、体力がある方向けです。シミや手足の荒れ、ニキビなどの皮膚炎を始め、肩こりやめまい、更年期症状にも処方されます。
ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師などにご相談ください。
お手頃価格で不調を改善したい、という方には医薬品の漢方がおすすめ。スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。
4.更年期のシミの悩みを解決して若々しさを取り戻す!
顔のシミは、女性ならとくに気になってしまうもの。洗顔、食事や睡眠、漢方薬など、今回ご紹介した対処法をうまく活用して、内面も外見もキレイな女性をめざしていきましょう!
なお漢方薬は、個人の体質や体力などを考慮したうえで選んだほうが、効果も出やすくなります。専門家に相談して自分に合った漢方薬を見つけ、生活に取り入れみてください。
<この記事を書いた人>
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
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