「あれ? なんて漢字だったけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第40回目は、「返戻」をご紹介します。保険の「返戻金」という形でよく使われます。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「返戻」はなんと読む?
「返戻」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「かえりもどし」ではありません……
正解は……
「へんれい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「返したりもどしたりすること、返却」と説明されています。漢字からも想像できる通り、「預かったものを『返』して、元に『戻』す」という意味を持った言葉です。
「へんれい」と聞くと、葬儀で使用される「返礼」を思い浮かべる方が多いと思います。「礼」の漢字から分かるように、「返礼」は「贈り物に対するお返し・お礼」という意味合いを持ちます。そのため、預かりものを返す「返戻」とはニュアンスが異なります。
■「返戻」の漢字の由来とは?
「返戻」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「返」は「かえすこと」を、「戻」は「もとにかえすこと」を意味します。つまり「返戻」は、似た意味の言葉を重ねてできた熟語だと言えます。
■関連語「背戻」「貪戻」読めますか?
最後に「戻」を含む漢字をご紹介していきます。「返戻」を参考に、「背戻」「貪戻」の読みに挑戦してみてください。
まず「背戻」は「はいれい」と読みます。「そむくこと、さからうこと」を表します。次に「貪戻」は「たんれい」と読み、「欲が深く人の道に背くこと」ことを意味します。この二つの場合の「戻」は、「もどす」という意味ではなく、「そむく」というニュアンスが含まれているのですね。
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いかがでしたか? 今回の「返戻」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 少し古い言葉でかしこまった表現ですが、いざという時のために頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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